短 編
□ラッコの冒険
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ぷかぷかぷか
ラッコが浮いていた。
ある日ラッコは考えた。
僕はなんで泳ぐのだろう。
次の日ラッコは旅に出た。
このまま波にながされて、どこかに行こう。
三日後ラッコは魚に会った。
「魚さん、僕はどこへいくのですか?」
魚は答えてはくれなかった。
一週間後ラッコはカモメに会った。
「カモメさん、僕はどこへいくのですか?」
カモメは冷たい目で僕を見た。
僕はとても寂しくなった。
誰も道を教えてくれないのに、僕は前へ泳がなければいけない。
どこへ行けばいいのかわからない。
一ヶ月後ラッコはイルカに会った。
「イルカさん、僕はどこへいくのですか?」
イルカは微笑んだ。
「行きたいところへ行けばいいのさ。」