白兎を追いかける
□崩壊
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「…すまない」
夕方の時間帯。
初めは夜だったのに、すでに二回時間帯が変わってしまった。
静まり返ったグレイの自室で、彼はそっと眠るアリスの頬に触れる。
そのまま首筋に這わすと…微かに感じる鼓動の音。
誰もが魅せられる、余所者だけが持つ音。
「ん…グレ…」
唇に指を乗せると、無意識に紡がれる言葉。
「アリス…」
起きる気配はない。
否。
あと何時間帯か変わらなくては目覚めることはないだろう。
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