突発ネタ小説

□もふもふしたいお年頃。
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(※ザックラ前提でユフィクラ設定…)


「クーラーウードッ!!」


最早聞き慣れた、女特有のカン高い声で俺の名前を叫ばれたので、
面倒だがとりあえず「何だ…?」と呟きながら振り返ると…途端に目の前に勢いよく何かが降り掛かってきた。


「とおっ!!」


「っ…わ!?」


…そんな掛け声が聞こえてきたかと思えば、その声の主は容赦なく俺に飛びついてきた為、
避けようにも上手く避け切れずにそのままぎゅっとしがみついてくる…


「いやぁ〜、
相変わらずクラウドの髪ってもふもふしてるよねぇ〜」


まるで、俺を縫いぐるみか何かを可愛いがる時みたいに、髪をわしゃわしゃと引っ掻き回してくるせいで、
ただでさえ寝グセのせいで結構乱れているというのに、益々乱れたのは言うまでもないだろう。

それから暫くの間、されるがままになっていると、
とうとう髪を触るのは飽きたのか散々乱しておきながら、やたらと俺に絡んでくる…

一言で言うなら、非常に面倒臭い…


「…またアンタか、
ていうか…良い加減、俺に張り付くのは止めてくれ…とりあえず、
動きずらい上に暑苦しい…」


…事実、
これでは歩きずらいだけでなく、こんな時にモンスターとか出てきてしまったら満足に戦う事すらままならない。


「…とりあえず、
何でも良いから早く離してくれ…」


「え〜何で〜!?
別に減るもんじゃないんだし、
もう少しくらい触らせてくれたって良いじゃんよ〜っ!」


…仕方がないので、少々強引にでも引き離そうと、腰辺りに絡みつく細い両腕を引っ張ってみるが、中々簡単に離してはくれないようだ。

同じ事を…再度言うが、面倒臭い…

…そういえば、今のままだと、それ以上に厄介な事が一つだけあったな。


「…って、
あ〜〜〜っ!!!」


今度は俺の背後から、やけに煩くて響く叫び声が聞こえたかと思えば、
その声の主はこちらに向かって全力疾走しているらしく、
もの凄く早い足音が一気に近づいてくるのが、わざわざ見なくても分かった。


「ほら見ろ…また騒々しい奴が一人増えた…」


やれやれと首を左右に振りながら額を押さえると、
実はもう声の主は、すぐ背後まで迫ってきている…


「おいユフィ!
お前…また俺のクラウドに性懲りもなく抱き着きやがって!」

この声からしても…間違いなく、ザックスだ。


「はぁっ?何ソレ?
ていうか…一体いつクラウドが、あんたの物になったっていうのさ?」


「フフン、
何せ俺はお前がクラウドと会うずーっと前から付き合ってる間柄なんだぜっ☆」


全く…何て馬鹿馬鹿しい口論なんだろう…

…ていうか、
今のザックスの発言は何一つとして自慢にすらならない癖に、妙に誇らしげな顔をして語っている…


「…俺は別に、
アンタの物になった覚えなんて、全くないけどな…」


これ以上、話が飛躍したら面倒なので、適当に口を挟む。


「え…」


「ホラ、
言わんこっちゃない!
確かに…昔からクラウドがあんたと付き合ってる事くらい知ってたけどさ、

そんなにベタベタしてたら…いくらクラウドだって苦に感じてるかもよ?」


「うっ…!!」


ユフィがここぞとばかりに、
明らかにザックスの心に突き刺さるような言葉ばかりを次々と吐いていく。

しかし、
それは本人も少なからず心当たりがあると自覚しているのか、何も否定しない。


「…あ」


…気が付けば、いつの間にやらユフィの腕が離れていた…

しめた、と言わんばかりに俺は全力でその場から逃げ出したのである。


「…って、あ!
ちょっと待ってよクラウド〜!!」


「っ…あれ!?
ていうか、俺の事すらも置き去りかよクラウドぉ〜!!」


…とか言いながら、二人してしっかりと俺を追い掛けてきている。


「煩いっ!
悪いけど…アンタらといると騒がしくて仕方ないんだよっ!」

勿論、
俺はこの数分後、後ろから追い掛けてきたザックスとユフィに見事捕まり、
かえって面倒な事に巻き込まれるのであった…


-END-
 

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