ぽけ&すぺ
□アンタがアタシでオレが先輩!?
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それは、ある朝突然訪れた不幸―。
「きゃあっ!!」
誰かの声が、部屋中に響く。
そこに暮らしているのは、俺とねぇさんとゴールド(居候)だけだ。
悲鳴を上げたのはねぇさんか、それとも…
俺が二人の罵声が聞こえる部屋に入れば、二人して一斉に俺に何かを訴えている。
「ねぇねぇシルバー!!!
アタシ、ゴールドと入れ替わっちゃったみたいなの!!!」
「なぁなぁシルバー!!!
オレ、ブルー先輩と入れ替わっちまったみてーなんだ!!!」
…要するに、二人は互いが互いに入れ替わってしまったと訴えてきた訳だ。
…全く、そんな事言われても俺に一体何が出来るって言うんだ?
とてもじゃないが、俺の手に負える話じゃないな。
「…まぁ、そういう訳だ。ゴールド、お前だけ戻れぬまま苦しんでいればいい」
「出来るワケねーだろうがよ!!
いいか!?オレが元の身体に戻れねぇって事は、ブルー先輩も戻れねぇ状態を意味してんだぜ!?」
それくらい分かってるさ、ちょっと言ってみただけだろうに…
…まぁ、いかなる理由にせよ、はた迷惑な話だ。
ましてや、入れ替わってしまった原因が分からないとは…
「とにかく、お互いに入れ替わったと他の所有者が気づいたら厄介だ。
ひとまず、お互いの態度を真似て胡麻かすしか…」
「ちょっと!アタシ、ゴールドみたいにキューなんか使えないわよ!」
「てゆうか、オレも先輩みたいにカメックスは使えないからさぁ!!」
賛否色々だが、入れ替わってしまった以上は、こうするのが一番得策であろう。
それから数日。
ハナダの岬のマサキの小屋で元に戻してもらった事は、言うまでもない話である。
―END―