ぽけ&すぺ

□手から落ちて気付いた、大切な存在。
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「…くしゃんっ!!」




…あー、最悪だ…

何で今日に限って、こんなに寒いんだ…

…それより、何で喧嘩ぐらいで俺が家から追い出されなきゃならないんだ…?




…この度、俺、グリーンは、レッドと些細な事で喧嘩をしてしまった。
勿論、奴も悪いが、俺の方も悪い。お互い様って事だ。

それから俺達は暫く口論し、気がついたら俺は自ら墓穴を掘り家を飛び出してしまった…

―これが、ほんの1時間前の話。




外の空気を吸ったからか、少し落ち着いた。…が、それと同時に後悔と虚脱感が襲ってきた。


「…くしゃんっ!!!」


酷くなる嚔と、寒さと格闘しながら、宛てもなく外を練り歩く。


(…あー、畜生!!
…謝まろうとは思ってる…でも…
…今更…?どんな顔して…?)


本音は、今すぐにでも謝って、レッドを抱きしめたい。

ただ…自分から蒸発してしまったせいで、素直になれない小さな自分がまた悔しくて、足が自然と家から遠ざかっている。




(…鼻水まで出てきた…)





*********





「…グリーン…」


…まだ帰って来てない…


『…もういいっ!!
…外の空気吸ってくる!!』


…そう言われて、家を出ていってからかれこれ1時間。


(…グリーン、どうして行っちゃうの…?)

…心ではそう嘆いていても、素直に呼び止められない自分がいて。


(…ちょっと…待って…待ってよ!!グリーン!!)


それでもやっぱり素直になれなくて、グリーンが出ていってしまった後、こうして何度も玄関を開けて、

「もしかしたら…もうグリーンが戻って来てるかも…」
…と、淡い期待を膨らませてはみるけど、やっぱり直ぐに妄想だと思い知らされる事の繰り返し。




(本当は…謝まれば…きっとグリーンだって…許してくれる…でも…)




…今更…どんな顔してグリーンに会えば良いんだろう…?





―END―




『本当は…こんなに後悔する程大好きなのにな…』
 

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