ぽけ&すぺ

□「…ゴールド、」
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(※存在喪失ネタ。)



「…駄目ね…」



クリスが悔しそうな表情を浮かべてこちらにやって来る。



「…貴方の言う通り、先輩方は誰一人覚えてないみたい…」



「…そうか」



…初めから先輩達が覚えているとは思っていなかった俺は、クリスの報告を受け流すように返事をする。



「…それにしても…
どうして皆覚えてないのかしら…?」



…それとも、私達の記憶の方が間違っているのかな…?

クリスは、まるで自分の記憶に言い聞かせるように語る。

…少なくとも、肝心の"本人"がこの場にいない今となっては、俺達の内どちらが正しい記憶かなんて、確かめる方法もなかった。


…ただ言える事は、仮にそいつが確かに『居た』として考えよう。では、そいつは一体誰なのだろう。

名前はおろか、存在自体があやふやな俺達の記憶では、そいつの存在と記憶を繋げるのは殆ど不可能に近い。


…かと言って、先輩方の言うように『居なかった』として考えても、やっぱりおかしい。

では、そうなると俺達の記憶にあるそいつは何なのか。

初めから会った事もない奴を記憶する機能なんて人間に持ち合わせている訳がない。


俺の脳内を探るように、クリスが言葉を繋げる。



「…今、少し考えてたでしょ?
『本当に、俺達の記憶が合っているのか―…』みたいな事。
…確かに、否定するのは簡単だけど、現実としては辻妻が合わなくなっちゃうわ」


「…それは―…」



…そうなんだが。
こう続ける前には、既にクリスが先に言葉を発していた。



「では先ず、仮に『居ない』として考えてみて。
…じゃあ聞くけれど、あの日、貴方はオーキド博士から図鑑を、ウツギ博士からはワニノコを盗んだわ。
…でも、貴方なら知っていると思うけど、図鑑もポケモンも元々三つづつある訳よ。
…一つは貴方。もう一つは私。なら、もう一つは一体どうして無くなったの?」



クリスは、何処ぞの推理小説のような口ぶりで淡々と話す。

正直、俺が口を挟む隙すらもない。



「……………」



何も答えられずにいると、クリスが再び口を開く。



「…貴方のように、誰かが研究所から盗んだ?
それとも…神隠しみたいに消えちゃっただけ?

…私は、どちらでもないと思うの」



クリスは苦笑いを浮かべて、こちらを見ていた。



「…でも、どうしてかしらね?
…先輩方は存在すら記憶にないって言うのに、私達には曖昧だけど、確かに存在していたような記憶が残ってる」




俺はふと、記憶を蘇えらせてみる。

―俺の記憶では、先輩達と俺達、それにもう一人居た筈なんだ。何度も言うように、誰かは分からない。

クリスと俺、そして、そいつ。

確かに三人いた。




―おかしな髪型で、いい加減で、馬鹿で、余計な事ばかりするし、邪魔なようで、そうでもなかったり―…



「…―そうだわ!」



突然、クリスが思い立ったように手を叩き、ゆっくりと言葉を紡ぐ。



「―ゴールド…」




―嗚呼思い出したぞ。


―奴は―…




―END―


妙な所でスイマセン…
何となく、ゴーさんの存在が記憶から消えかかった二人と、既に記憶から抜け落ちた先輩方ってカンジのを書きたかっただけなんス。

ただ、文章力がなさすぎておかしくなっただけなんスよ!!
 

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