ぽけ&すぺ
□俺は××に殺される!
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(※死ネタ)
一週間前の話だ。
俺は、毎日午後くらいにシルバーの隠れ家に顔を出しにいっている。
いつものように、最近どうしてる、とか、昨日の晩御飯は〇〇でさ〜、とか、他愛もない話をして二人で笑い合った。
夜になり、少々名残惜しいが俺は家に帰る旨を伝え、明日も来るからな!とだけ告げてシルバーの家を後にする。
別れ際、シルバーは外の雑音に消えてしまいそうなくらいに小さな声で一言「…分かった」と呟いていた。
因みにシルバーの隠れ家は沢山あるが、俺が毎日遊びに来る事を見越してか、最近はカントーの隠れ家よりジョウトの隠れ家に居る事が多い。
シルバーの隠れ家の一つ、ヨシノシティからワカバタウンまで、そう遠くはない距離だ。
マンたろうで飛んでいけば直ぐに家に辿り着くが、どうせ近いんだ、それに、ヨシノ側からなら確か、下りだから段差を飛び越えちまえばわざわざ草むらを通る必要もねぇ。
…だが、これが俺の死亡フラグの一歩だったなんて、誰が想像するよ?
俺は何食わぬ表情でヨシノから道
路に入る。草むらは、野生ポケモンに会いたくなかったからスルー。
すると突然、背後から街頭一つない道路が明るくなる。
あまりの光の強さに、少し目眩がした。
…嫌な予感がする。
…本当は見たくなかったが、俺はゆっくりと後ろを振り返ってみる。
と、…何の事はねぇ、背後の光は、車のライトだったみてーだ…
…見た所、相当な大きさ…多分、大型車とかゆーサイズの車だと思う。
こちらに向かってとんでもないスピードで走ってくる車に気づけなかった俺は、避ける事も出来なくてそのまま―…
*********
「…え?事故…??」
…始めは、耳の錯覚かと思った。でも、電話の相手は確かにそう何度も叫んでいたの。
…電話の相手、ブルーさんには、病院へは私が行くから、ブルーさんは引き続き連絡係として皆さんに連絡を回すように。と、頼んだ。
ブルーさんは二つ返事で了解してくれたわ。
そして私は、真実を確かめる為に彼が運ばれたと言われた病院
へ向かう。
受付で彼の名前を出したら、先程まで笑顔で対応してくれた看護師さんは急に顔色を変え、お互いを見合わせる。
(…何で教えてくれないの…?
…何か、隠してるつもりかしら…?)
これ以上聞くのは無意味だと考え、私は看護師さん達に適当にお礼を言って、病室のある階に上がった。
…まさか…と思って来てみたけれど、ざっと見たカンジ、彼の名前が入ったネームプレートは見当たらない。
の取っ手を掴んだままペタンと足が床にくっつく。
「…見つけた…ッ!!」
微かな希望の中、私は確かに見たの。
彼の…"ゴールド"という名前を―…
…私は、涙がこぼれそうなのを必死に怺えて、精一杯の笑顔だけを取り繕って深呼吸して立ち上がりその流れで病室の扉を開けた―…
*********
『…―シルバー!!
大変なのよ!!
ゴールド、さっき車に轢かれて病室に運ばれたんですって!』
俺が電話の通話ボタンを押して、俺がまだ誰か確認しない内にそう聞こえてきた。
―だがこの声は…確認するまでもない。姉さんだ…
ずっと姉さんと一緒にいたんだ。聞き間違える訳がない。
姉さんの話が一通り終わった頃を見計らい、今度は俺が言葉を切り出す。
「…姉さん…??
…ゴールドが…車に…?
…それって…本当ですか…??」
『ええ間違いないわ!!ゴールドが車に轢かれた所を偶然見たって人もいるみたいだし…』