Let's party!!
□第一 渡り歩くわ花の風
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side 籐夜
「みぃなぁぁぎぃいるぅぁあああああああああ!!」
大声と共に多大な炎をまとい走り抜ける少年こと真田幸村。
「どけぇええええ!!」
これまた炎をまといやってきた少し小柄な少年こと月光乃啓輔。
しかし、その小柄な印象とは裏腹に、体にそぐわぬ身長ほどあろうかという斧。
その姿はなんとも奇妙。
「ちょ!旦那!啓輔!作戦聞いてなかったの!?突っ込むんじゃなくて後ろから仕掛けるって話だったよね!!」
その二人を少し後ろから追いかけている橙色の髪をなびかせ、迷彩柄の忍び装束を着た男・・・すなわち猿飛佐助。
「・・・てか早!俺様が追いつけないってどんだけ!?」
忍びなのに・・・という呟きは聞かなかったことにする。「・・・若いねぇ。」
ついつい呟いてしまう。
「っちょ!籐夜!何和んでんの!二人止めてよ!」
佐助は心底疲れたような顔でこちらを振り向く。
「無駄」
「無駄って何!?せめて無理って言ってよ!」
佐助は、もう勘弁してくれー!、と叫びながら必死に二人を追いかけていった。
「だって、今さらだろ?」
私は一人、居なくなった佐助に呟いた。