Let's party!!

□第一 渡り歩くわ花の風
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「おんどりゃぁああああ!」

大きな斧を振り回し敵をばったばったとなぎ倒していく啓輔。

「おぉ!やるでござるな啓輔!」

その様子に感心しながらも幸村は敵を吹っ飛ばしていく。

「某も負けてはおられぬ!」

そういってよりいっそう炎を大きくする。

「旦那ぁああああああああああ!!」

忍びなのにドドドドドドと音のつきそうな足運びでやってくる鬼の形相をした佐助。

「作戦無意味じゃん!お館様になんて言うのさ!啓輔も!二人で盛り上がってたら意味無いでしょーが!」

「「!!」」

そのことにようやく気がついたのか二人は顔をサァーっと青くする。

「し、しまった!」

「やってしまったでござる!!」

「いやー、若いっていいねぇー」

ようやく追いついた私は三人の様子を見て少し笑った。「とぉーやぁ・・・・!」

「ん?どうかしたか?」

「どうかしたか?じゃないよ!来るの遅い!少しは働いたらどうなの!」

私こと東雲籐夜はこの戦場を歩いて来た。

「ぇー?」

「ぇーじゃない!!働きなさい!」

「働いたら負けだと思っているのだが?」

戦場らしからぬ雰囲気に敵軍はどうしたものかと思っている。

「籐夜ぁああ!どうしよう!お館様に怒られる!」

啓輔が焦ったように斧を振り回している。

「まぁ、こうなったのも仕方ないし。どうせだから相手をどんどんやっちゃったらいいんじゃない?」

私は右手をひらひらと振ってみせる。

「そうでござるな・・・。やってしまったのは仕方ないでござる・・・。佐助!働け!」

「ぇ!なんで俺様!?そりゃ働くけどさぁ。それ、籐夜に言ってくんない?」

佐助はがくーっとうなだれている。

哀れ佐助。

「籐夜には何を言っても無駄でござる。」

「そーそー」「開き直らないで!!」

佐助は今にも泣き崩れそうである。啓輔もその様子に苦笑を隠せないようだ。
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