Let's party!!

□第六 不穏な雲きたる
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この戦の敵は人取橋の戦いで敗れた畠山氏の家臣を中心に構成された連合軍の残党だ。あの戦いで二度と伊達家に牙を向けないように、粛正したというのになぜ今更になって国境を跨いだのか。

さらに忍の情報によれば敵軍の数はおよそ三百。一国を落とすにしてはあまりに少ない。ましてや今の伊達軍には同盟国の武田が後ろ盾にいるというのに。
目的がわからない戦だ。






敵陣につけば例のごとく政宗様が六爪を振り回しながら単独で斬り進み、小十郎さんがその背中を守る。
私は兵に指示を出しつつ二人を追う。


「ど、独眼竜だ!!やべぇぞ…!!」

「独眼竜を討ち取れぇ!我が主君に首を捧げろ!!」

戦場に叫び声が響く。
それは歓喜の声か、絶望の声か、

「どうでもいいけどね…」

ただ目の前の敵の息の根を止めるのみ。

首筋めがけて刀を振い、そのまま他の敵の腕を落とす。返り血なんて気にしない。
気付けば、今の私はずいぶんと冷たい目をしているのだろう。目があった味方の顔が引きつった。



敵を倒しながら全力で追う。
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