Let's party!!

□†第八章†松永の思惑、啓輔に危機†
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啓輔は返り血と自分の血で服や髪が真っ赤になっていた。
乱れる息、滴る赤き雫。
正直、今にも倒れそうな啓輔に対して、めんどくさそうに晴夜はクナイをクルクル回している。










その頃、佐助が帰りの遅い啓輔を忍び部隊と共に探していた。
その中に籐夜の姿はない。
お館様と佐助に、しつこく止められて今は休養中である。
佐助に嫌な予感が過る。

{啓輔…大丈夫でいてくれよ…}

そんな佐助の思いは届かず晴夜と遭遇してしまっている啓輔。










啓輔は出血多量で意識が朦朧とし始めていた。
晴夜が投げてくるクナイを斧で防ぐのがやっとなくらい。
啓輔の今の視界は二重にぼやけている状態。
おまけに前を見ることすら、ままならない状態。
先程まで必死に立っていた啓輔が、ついに膝を付いた。
晴夜からすれば、ただの的当てにすぎない。

[ねぇ…何もしてないんだけど…もう終わり?ねぇ…聞いている?]
「はぁ…………はぁ…はぁ…はぁ。」

バタンッ!!!!

その場に倒れる。

(視界が狭くなって…意識が……)









佐助が現場に着いた時には啓輔の意識はなく非常に危険な状態だった。
辺りを見た佐助は言葉を出す事が出来なかった。
近くに落ちていた紙を手に取る。
紙にはこう書かれていた。

[馬は貰っていく、さぁ…かかってこい。]

これは明らかに挑戦状だった。









とりあえず社に戻るしかなかった。
社に着いた佐助も啓輔を抱えていたので赤く染まっていた。
まず、啓輔を手当てするように部下に告げ、そのままの状態で、お館様に報告をしに行った。
お館様が俯いて黙ってしまった。

啓輔の意識は、まだ闇の中である。









《さぁ…来い甲斐の虎、そして独眼竜…》

闇の中に松永の声が吸い込まれていった。



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