Let's party!!

□第九 終わりの始まり
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side 霧


佐助さんの報告をうけて頭の中が真っ白になった。



政宗様が負傷されて

啓輔までもが危険にさらされた

籐夜もきっと苦しんでいる

それでも自分は城にいるしかない







真っ白で、もうひとつの考えしかうかばない。


「東大寺まで行きます」


すくっと立ち上がって部屋から出る。

「ちょ、霧ちゃん!?」

「佐助さんわざわざ奥州までお疲れ様でした。報告承った旨を信玄公にお伝え下さい


「了解っと…じゃなくて!!!東大寺って…城はどうすんの?」

「成実さんに任せます」



「これはあきらかに松永の罠だってわかってても?」

「行きます」



「伊達軍参謀として考えてみなって!」

「今は一人の武士として行動してますので」



「霧ちゃんになんかあったら籐夜が悲しむから、勘弁してよ…」

「……」

足を止める。


「籐夜はさ、旦那たちや霧ちゃんのことが心配で泣いたんだよ?忍びなのに」


籐夜が泣くなんてそうとうなことだ。
そこまで信頼されているということに不謹慎だけど少し嬉しくなる。

これはなおさら退けない。

仲間を苦しめる者なんてさっさと消してしまうに限る。


「…………。籐夜はまだ甲斐にいますか?」

「勝手に松永のとこに行こうとしてるのを大将と旦那が止めてるからいると思う」



「じゃあまず甲斐に向かいますね」

「…は!?なんで?できれば俺様にもわかるように説明してよ!」

「籐夜は怒ってて、東大寺に行こうとしてます。私もです。籐夜は私や小十郎さんが心配です。だったら一緒に行って籐夜の目の届くところにいればそれでよしです。

わかりました?」
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