Let's party!!

□+第壱壱話+一つの終わり+
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△注意△

+この先に血の描写や弱グロな表現がありますので苦手な方は読まない事をオススメします。

+後、話し方や物語が本物とかなり差があります。
それが許せない方は読まれないことをオススメします。

それでも大丈夫な方、それでは参りましょう▽






















+霧+
一方の霧は籐夜と別れた後、辺りの敵兵を一人で相手にしていた。
数的には不利であるはずの霧が敵兵を圧倒している。
それは霧が仲間を思う気持ちの現れだった。
霧の思う政宗様、
同じような状況にいつも居る小十郎さん、
神出鬼没で根は優しい籐夜、
戦いになると目の前が見えなくなる啓ちゃん、
そしてそれに振り回されている佐助、
そんな皆を思う気持ちが、
いつもの霧の強さの倍の強さを産みだしているのだ。
数的に勝っている兵士にも霧の威圧が伝わっているのだ。
先ほどまで束になっていた兵士の中にも命、欲しさに逃げゆく者がいる。
霧は戦えない、戦いの意志のない兵士を倒さない主義なのだ。
かかってくる兵士には容赦はしない。

《死ねぇっ!》
「………」



グシャッ!!



《ギャァァァァ!!!!!!》













+松長退治+

小十郎は籐夜に行けと言われて違和感を感じながらも松長のいる場所へ。
六刀を持っていると政宗様の事が心配になる。
しかし足の歩みは止めない。
だんだん約束の場所である東大寺に近づいていく。
小十郎は怒りと緊張を抱きながら歩く。
静かな辺り。
見えてきた建物は赤くて大きな寺に見える。
その寺の入り口の辺りに人のようなものが見える。
小十郎自身が歩いて行くにつれて、その者の容姿がはっきりしてきた。
そこに立っていたのは少し渋いの顔をした侍。
小十郎は、その者を見た間に違うモノを感じた。
それは、その者がただ者ではないという何とも言えない威圧感。
小十郎は松長だと確信した。
そして、その者が口を開いた。

[待っていた。六刀は持ってきたか?]
「約束通りだ。」

その言葉を聞いた瞬間、松長は手を鳴らす。

パチンッ!!!

すると辺りが爆発し始めた。
今まで松長の後ろに、そびえ立っていた東大寺が地響きと大きな音を立てて跡かたもなく崩れ去った。
その一瞬の隙を小十郎は松長とは違う者に攻撃された。
しかし小十郎は、その反射神経でぎりぎりなところを避けた。
よく見れば東大寺を囲んでいる塀の向こう側には無数の狙撃兵がいるではないか。
松長は手を叩いた。
しかし今の小十郎に松長だけに集中しろというのは困難、極まりない。
松長は小十郎が狙撃兵の攻撃を避けているのを見物している。

攻撃を避けつつ狙撃兵を倒すというのは小十郎の体力が持たない。
何故なら倒しても倒しても又、次から次へと狙撃兵がわいてくるからである。
その時一発の玉が小十郎の胸元に向かって飛んできた。
気づきのが遅かったのだ。
その時、小十郎は正直もう駄目だと思った。
瞬間的に目を瞑る。

バタンッ!!!!

その瞳を開いた時には自分の目の前には見覚えのある鎧があった。
青くて、いつも世話を焼いている自分の当主。

「大丈夫か?小十郎っ?」
「政宗様、どうしてここに?」
「話は後だ!今は、まずこの狙撃兵をどうにかする方が先だ!!」

そう言い残すと政宗様は狙撃兵に屈せず突っ込まれた。
政宗様の手元を見れば六刀がある。
どうやら先ほどの一瞬に抜かれたようだ。
小十郎も負けずと狙撃兵を切っていく。

政宗は自分に向かって飛んでくる銃弾を一刀両断していく。
その速さを目で追うのは困難である。
気がつけば狙撃兵は一人も残らず倒していた。
松長は不機嫌そうな顔をしている。

[いいのか?お前の仲間がどうなっても。]

松長は自分の後ろを指差した。
そこには伊達軍の部下の3人が捕えられている。
さすがの政宗も手足を出せないでいる。
そのことをチャンスと考えない者など普通はいない。
松長は政宗に六刀を置いて下がるように命令した。

[六刀を置いて下がってもらおうか。]
「ちっ…」

政宗は、そう舌打ちすると自分の愛刀を置いて下がる。
松長は、まだ要求する。

[もっと下がってもらおうか。]
「……ちっ」

政宗は1mほど離れた。
松長は六刀に近づき手に取ろうとした瞬間だった。


キーーーンッ!!


そのたった一瞬


その場の誰もが反応できずにいる。
六刀は松長の手に渡らなかった。
いや、正式には渡れなかったというべきか。
聞き覚えの声が聞こえ政宗と小十郎に時間が戻ってくる。

「遅くなりました…はぁ…政宗様…」

その荒れた呼吸でありながらも松長に六刀が渡るのを阻止したのが霧。
六刀は霧の後ろにある。
そう先ほどの一瞬の隙に霧は松長の間に駆け込み愛刀を向けた。
松長は、それを反射神経で止めたのだ。
しかし松長にとっては、この状況は予想外な上に奥州の武将に3人も集まられると、さすがに人質を盾に使うには厳しい状況である。
何故なら2人で注意を惹きつけているうちに残りの一人で人質を助ける事が出来るからである。
松長は苦笑を浮かべながら口を開く。

[これはこれは、いつしかの女武将ではないのか?]
「そんな事を言っていられる余裕でもあるのか?」

松長は霧から離れて距離を置いた。
そして、なんとも予想外の事をしたのだ。

[私は自らの遺体を残さない主義だ!]

そういうとどこにもっていたのか謎であるが、片手に何かの押しボタンを持っており高らかに笑うと、それを押した。
ものすごい音と地響きが辺りに伝わる。
松長の姿は、そこには無かった。

小十郎は、いち早く部下の元に行って縄を解いてやった。
部下たちは緊張感から解放された安心感からか、その場にしゃがみ込むと小十郎の服を掴んで泣き始めた。
小十郎は苦笑いしながら彼らを眺めた。
霧は六刀を拾うと政宗に手渡した。
小十郎が霧に話しかけようとした瞬間に今までいなかった籐夜が、ちょうど現れる。
そして霧に笑顔を向けると口を開く。

「よかった〜間に合って。」
「いやー本当にありがとう。籐夜、助かったよ。」

そして松長騒動は終わりを告げたのだ。
帰った後は、しばらくの間、小十郎はやりきれなかった表情をしていたという。
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