忍たま
□解りません!
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分からない。
いくら頭をひねっても、分からない。
自室で、一人、問題用紙と睨めっこ。かれこれ一時間はこの状態が続いている。
今ここにある、唯一の味方、『忍たまの友』を問題用紙の隣に広げ、答えを探してはいるが、なかなか見つからない。
目の前の敵は、見た目ただの薄っぺらい紙切れなのに、僕の頭を混乱させる。この宿題は、明日の授業で提出しなければならない物。こんな宿題、皆ならきっと直ぐに済ませてしまうだろう。宿題を受け取っている時のクラスメートの涼しい顔が思いだされた。
「僕は問題見た瞬間、頭がくらくらしたのに…」
今の僕の頭もくらくらしていて、問題の文字が複雑な記号に見えてきた。
僕は皆より学ばなければならない事が沢山ある、つまり、皆より知らない事が沢山あるってことだ。
そりゃ、なかなか解けない訳だよ…。
筆を置き、後ろに倒れ寝そべった。ぐーっと、両手を頭上に伸ばし思いきり背伸びをする。
このままじゃ、宿題忘れって事になっちゃう…
「!そうだっ!!」
ひらめいた!
僕は問題用紙と忍たまの友を抱き抱えると駆け足に、部屋から飛び出した。