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□見上げれば、月
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部屋に入り、ドアを閉めると、
張り詰めていたものが切れたように、ドッと疲れに襲われた。
新しく始まった、
慣れない、慣れていかなければならないこと。
フラフラと窓の側にあるベッドに近付き、そこに倒れこむ。
微かに差し込んでくる静かな光。
それを感じて、君を思い出す。
ずっと一緒にいた場所。
離れるなんて考えられなかった時間。
時は流れて、変わっていったことが多いけど。
変わっていないものもあるよね?
「……」
声には出さず、君の名を紡ぐ。
ジワリと溢れ出しそうなモノを、顔を枕に埋めて誤魔化した。
何をしているんだ。
自分で決めたことじゃないか。
強くなろうと。
――だけど、
顔を上げて、
光に向かって手を伸ばす。
同じだけど、違うもの。
せめて、こうして近くに感じたい。
――会いたいよ。
そして、また抱き締めて、言ってほしい言葉がある。
今度会えるのは、何時なんだろうね?
END?
*アトガキ*
す、すみません!突発にも程がある;
…精進いたします…。