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□僕は夢を抱いて眠る。
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赤く点滅するこの世界でも――





【僕は夢を抱いて眠る。】








幸せだったあの頃。
互いの存在が全てで、世界だった。







「進路希望?」

「なんだ、聞いてなかったのか?先生が言ってただろう?」


そういえば、そうだっけ?とキラは首を傾げた。
そんなキラの様子にアスランは、仕方ないなと溜息を吐く。
この様子では母親にも何も言ってないのだろう。
かと言って、キラの母――カリダは自ら問い糾す人ではない、アスランはそう思っていた。

似たもの親子。
目の前の親友とキッチンで夕食の支度をしているであろうカリダの顔を浮かべて、そんな言葉が思い浮かんだ。
思わず、笑みが漏れる。


「で、どうするんだ?」

再びアスランが尋ねると、キラは課題をしていた手を止め、そのままベッドへダイブした。


「うーん、でもまだ一年も先のことじゃない?わかんないよ」

「“もう一年しか”ないんだ」

「………年中マイナス思考」

「何か言った?」

「イイエ、ナンデモアリマセン」


キラだってわかっているのだ。もうすぐ13歳になるのだから。
でも、なんとなく漠然としか考えられないのはこの情勢下だからというのもあるかもしれない。
それをアスランも分かっているから、言葉を続けなかった。



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