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□光
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 ぼんやり空を眺めていたら、段々色が薄くなってきて。

 ああ、もう朝なんだなぁとやっと気付いた。


 と同時に、またやってしまったと後悔する。
 徹夜で仕事をしていたと知ったら、心配性の彼が何と言うだろう。

 今からでも寝ようか。
 でも、勿体ない気もする。折角、朝日が見れるんだから。

 椅子に身を預けながら、どうしようかと窓の外を見たまま悩んでいると、目を開けていることが辛くなってくる。

 もうちょっと。

 睡魔との攻防。

 粘ってみるけど、やっぱり勝てない。
 もう駄目だと思った時。


(あ――)


 緑の光が差した。



(――綺麗)




「キラー?」

 その声にドキリとした。
 あまりにもタイミングが良すぎる。

 眠くて振り向く気力もない僕を、彼は歩み寄ってきて覗き込む。


「またお前は…」

「んー?朝早いね、アスラン?」

 呆れたように溜息を漏らしつつ、深緑の瞳を細めて微笑んでくれるアスラン。
 僕を抱き上げ、ベッドまで運んでくれる。

 どうやら、アスランもまだ眠いらしい。
 一緒にベッドに横になる。
 優しく抱き締められて、スーと吸い込まれる感覚に襲われる。

 心地いい眠りへの誘い。


 そのまま眠ってしまいたいけど、彼に伝えたい事がある。


「アス…」

「ん?」

「朝日って…緑、の…光なんだ…」

「緑?」

「うん…」


 まだ途中なのに。
 うまく口が回らない。
 でも、これだけは。





「…好き…」









 だから、傍にいて。
 こうして僕を包んで。



――僕には君が必要。







END

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