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□すごろく
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何やらA3サイズの紙を持って現われた彼。
その表情は楽しそげで何か企んでいる表情だった。
【すごろく】
「何これ?」
目の前に広げられたそれにキラは首を傾げた。
真ん中に大きめの丸。その丸の周りをぐるぐると回るように書かれた小さな丸。小さな丸の中には何か書いてある。
「何って、昔キラの家でやっただろ?」
「……あ!もしかして、すごろく?」
「そう、それ。懐かしいだろ?」
季節ごとに極東の島国の風習を取り入れることが多いヤマト家。
二人が幼い頃、ヤマト家で過ごすことが多かったアスランはすっかりその風習に慣れてしまって。
数年たった今でも、キラが忘れているものを時々持ち出してくることがある。
「でも、これは却下!」
「なんでだ!?暇だっていうから作ったんだぞ!」
「すごろくはいいよ。でも、これは何!?」
キラが指を指して抗議したのは、小さな丸に書かれた内容についてだ。
「『抱き締められるために一回休み』とか、『キスして2つ進む』とか!」
「俺と以外しちゃ駄目だぞ?」
「一体何の罰ゲームなの?」
「……キラ、いくら俺でも傷つくよ」
「あー……ごめん、スミマセン、やる、やるから」
キラは仕方なくサイコロを持った。
「でも、負けないからね!」
◇◆◇
何がしたかったんだ、私。
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