short
□call
2ページ/2ページ
どれだけ捜しただろうか。さすがに疲れを感じ、溜息が漏れた。
周りをあてに出来ない以上、自分の足で捜し回るしかないのだ。
行き違いになったのかもしれないと思い、何度も同じ場所を行ったり来たりもして。
それでも見つからない。会えない。
そうなれば、最終手段はここしかない。
あまり気が進まないが、キラを捕まえるにはこれが一番だ。背に腹は替えられない。
アスランは意を決して扉の前に立ち、コールボタンを押した。
「カガリ、ちょっといいか?」
〈あ、え!?ちょっと待て!〉
「?」
返ってきたのは、何故か慌てたカガリの声。
アスランは首を傾げながらも耳をすます。
扉の向こう側から聞こえてくるのはもみ合うような声。その声は、アスランが捜し求めている人の声に似ている………いや、きっとそうだ。
「カガリ、開けるぞ!」
待っていられない。
逃げられてたまるものか。やっと見つけたのだから。
アスランは強制的に外側から扉のロックを解除した。
.