short

□Last Song
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たどり着いた場所は、公園の片隅。
周りには人が見当たらない場所。
そこには、ベンチに座り小さく歌う帽子を深く被った細身の少年がいた。


視界に入っていないのか、少年はこちらには気付いていない。

青年は、ゆっくりとベンチに座る少年に近付いた。



「寂しい、歌だね?」


気が付いたら、青年は少年に声を掛けていた。
突然声を掛けられて、驚いた少年はびくりと肩を揺らし声がした方を見上げる。

帽子の下から、澄んだアメジストの瞳が覗いた。


誰も聴いていないと思っていたのだ。気付いてくれるはずなどないと。
だから、声を掛けられて少年は、目を見開いて、青年に問い掛けた。


「あなたは、だれ?」

「アスラン」


藍色の髪の青年は、優しく答えた。そして、今度は青年――アスランが問い掛けた。


「君は?」

「キラ」



◇◆◇



今思えば、変な会話だった。
二人で思い出して、「あれはおかしかったよね」と笑ったこともあった。

今、胸の中は二人でいた時の思い出ばかりだ。



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