short
□Last Song
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◇◆◇
あれから、二人は夜の公園で会うようになった。
約束はしなかった。
キラは出会ったあのベンチで歌を歌っていて、そこに仕事を終えたアスランがやってきて、キラの隣に腰を掛ける。
キラは歌って、アスランはそれを聴いて。
会話は少ないけれど。
少しずつ、少しずつ互いを知った。
ある日。
キラは気になっていたことをアスランに問い掛けた。
「どうして、いつも来てくれるの?」
「キラは俺がいると迷惑?」
キラは首を横に振る。
「だって、つまんないでしょ?」
「そんなことないよ。キラの歌は、確かに寂しいけれど、偽りがない素直な歌だ。だから、キラのこと知りたくなる」
だから、来てるんだよと微笑むアスランにキラは耳まで赤くなって目を見開いた。
◇◆◇
二人が、惹かれ合うのは必然だった。
キラとアスランは、それぞれ絶望と孤独を知っていたから。
手を取り合って、身を寄せて。
出来る限り、一緒に居ようとした。
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