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□額と唇
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こうして一緒にいるようなって間もないから仕方ないといえば、仕方ないのだが。
キラが奥手だということも承知しているし、焦ることもないとは分かってはいる。
でも……
「何でって、キラは寂しくないの?」
もっと、と思うことはいけないことだろうか?
「それとこれは…」
「俺は、寂しいけど?」
軽い抵抗をするキラを抱き寄せて、俺からチュッと触れるだけのキスをする。
顔を離して微笑み掛けると、キラは更に赤くなった。
ほら、次はキラの番。
ちょっと妥協して、促すように顔を近付ける。
するとキラは、「あー」とか「うー」とか意味のない小さな声を出して俯く。
それが、更に俺を煽ってると気付かないのか。
「キーラ?」
早く?
「分かったよ!分かったから目瞑って!」
漸く観念したのか、キラは潤んだ瞳で俺を睨み上げてくる。
「はいはい」
ここで目を瞑るのは惜しい気がするが、仕方ない。言われた通り目を閉じて、期待して待つが。
――チュッ。
柔らかく触れてきたのは、額。
「何で、ここ……」
不満たっぷりにキラを見やると、キラはプイッと顔をそらした。
「だって一番、目についたから」
「……」
「キスはキスでしょ?」
「そうか。なら――」
体中にキスしてやった。
END