short

□alive
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「行こうか?」

「え、あ。はい」


キラに促される形で、再び車まで歩きだす。
シンは気まずいのか、まだ俯いたままで喋らない。
そんなシンに、キラは静かに話し掛けた。


「…お葬式とかって何のためにあるか知ってる?」

「えっ?」


突然の問い掛けとその内容にシンはキラを見遣る。
何のためと突然聞かれても答えようがない。
言い詰まるシンにキラは言葉を続けた。


「本を読むとね、生きてる人のためっていう人がいるんだ。生きてる人が、亡くなった人ときちんとお別れするため。…生きている人が悲しみで“生きる”ことを忘れないようにって」


キラの言葉にシンの胸に鈍い痛みが走る。

それは前にも似たようなことを別の人物から言われたからか。
その言葉の意味の難しさを知っているからか。

シンは黙ったままキラの話を聞く。


「難しいよね。悲しことや苦しいことを忘れるのって…僕も忘れられないって思ってる」

でもね?とキラの言葉は続いた。


「それは、亡くなった人のことを忘れろってことじゃないと思うんだ。……だから、たまには泣いてもいいと思わない?」


最後の方を茶化す調子で話したキラが、シンには何かを堪えているように見えた。


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