My bedroom please!!
目の前に聳え立つのは…
恐れ多くも若き吸血鬼達の巣窟。
夜間部の住まい“月の寮”。
「とうとう来ちまったゼ…」
ふと頭を過ぎるのは、無計画、無責任の代名詞…黒主理事長。
『ごめーん★今、“日の寮”の部屋に空きがなくてさ。
しばらく“月の寮”で居候してくれる?
ほら、夜間部の部屋って無駄に広くて豪華だから…キミ一人くらい問題無いと思うし♪ね♪』
あまりに反省の見えない態度に、ムカつき一発浴びせ現在に至る訳だが…。
「“月の寮”なら部屋が余ってるってことよね?」
学生の寮にしては立派過ぎる玄関の扉を静かに叩いた。
…が、何の反応も無いため、試しにドアノブを回してみる。
― カチャッ
「あ…普通に開いちゃったよ。
物騒ね〜、お邪魔しま〜す。」
予想に反して明るい室内に、眉を寄せる。
一通り辺りを見渡してみるが、誰の姿も見えない。
「気配はあるから…お留守なわけないし…。」
ロビーを抜け二階へと続く階段に足をかけた、すると偶然にもある人物と出会うことが出来た。