非日常ばっかりだね

□言えなかった
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俺はまだまだガキだ。俺は高校生で、あなたは社会人でした。あなたはいつだって大人だったな、思い出せばいつだって俺の頭をなでたり、俺の頬に触れたり、俺を抱きしめてくれたり。


いつでもそばにいてくれるっていうわけじゃなかったけど、俺はそんなあなたといるひとときが、とても幸せでした。


そのとき俺は、自分の幸せばかりを噛みしめて、あなたを抱きしめてやれなかった。抱きしめ返せなかった。


あなたが仕事に行くとき、俺はいつでも玄関まで行って、あなたが出て行くのを見届けた。

あなたが帰ってきたときは、必ず玄関であなたを待って、おかえりなさい、そう言ってあなたを迎えた。



あなたはいつでも俺のことをガキ扱いしてたけど、しょうがなかったんだと思うんだ。


俺が弟と喧嘩して夜中にあなたの家を訪れたとき、あなたは苦笑いしながら俺を抱きしめてくれた。人のぬくもりが、あたたかくて、あなたが、あたたかくて、泣きそうでした。


誰かを傷つけるのが、とても痛いと教えてくれたのはあなたでした。

誰かを殴った拳が、とても痛いと教えてくれたのも、あなたでした。


筋肉の筋が、痛くて肩を脱臼しても、あなたに会いたかった。あなたに抱きしめてほしかった。



その次の日、あなたはどうしても外せない仕事があって、ごめんねって謝りながら仕事に行った。


ひとりの家は、広くて。さびしかった。多分、あなたにそばにいてほしかったんだと思う。




なぜか急に喪失感が俺を襲ってきて、ひとりなんだって、俺は孤独なんだって、思い知らされた。あなたが、外で、何をされてるかもしらずに







10/06/22

 
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