Cuticle Girl 178

□干支首位強奪事件
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―12月



「街中クリスマスムード一色になったね」

「イルミネーションきれいだよね」

『12月はあっという間に過ぎるからね』

「俺らもいい加減準備するか」


「『年賀状を』」


「2人とも絵的にも内容的にも地味です!」

『アレ…?ひろにぃ、ココ間違ってるよ』

「ん?あぁホントだ」


「『荻野が萩野になっちゃった』」


「間違いも地味だ!」

『直さなきゃ…』


そう言って、間違いを直し始める滸。


「来年は何年ですか?」

「あー今年が亥だから…「ネコ年です」……」



洋の言葉をよく分からない発言で遮る圭。



「ね ねだ。ネズミだ」

「ネコ年です」



あくまで主張は曲げないらしい。



「じゃあ間を取ってネアンデルタール人年にしましょう」



どこ間をどう取ったのかは知らないが…



「ネコなんだよぉっ!!!!!」

「うわーん。うっとーしいよ、あのネコバカ〜〜〜〜ッ」

「落ち着くんだ圭!干支に猫はいない!」



よく分からない怒りの圭と、それがかなり嫌らしい優太。

そして、圭をなだめようとする洋。



『でもネズミはネコをだまして干支の座を手に入れたんだよ?
ひろにぃ、そんな不正を認めてもいいの?』

「滸…そこは勝負の世界だからさ。シビアにいこーぜ」



つーか滸、久しぶりの発言がそれか?



「年賀状なら俺が描いておくよ。猫を!」

「オイ返せ。すでにプリントされてるって」

「あ、ホントだ」

『描く場所ないよ?』



ヤギの顔が印刷されてるから。


トントン

圭はキレイにハガキをそろえたかと思うと、


「なんでだー!?」



シュパパパパパ

カカカカカッ



「何この特技ー!?」


ハガキを手裏剣のように投げ、壁に洋を縫いとめた。



『ひろにぃ、何でヤギさんなの?新年早々嫌がらせ?』

「本当だ!よく見るとヤギだ!!」

『それ、何のためのメガネ?』



若干、滸が黒く見える…。



「まー、荻には丁度いいか!」

『やっぱり嫌がらせじゃん…』

「どう丁度いいんだ……?」



このナイスなタイミングで荻が入って来た。

会話が聞こえていたのだろう、少々不機嫌そうな感じだった。



「荻さん、あのヤギ今度は何やらかしたんですか?」

「TV観てないのか?詳しい事は後で説明する。今は時間が惜しい。
助手、滸、一緒に来い」

「俺!?」

『私?』



何やら異変(?)を感じた洋は、荻野に尋ねた。



「…俺はいいの?」

「つ い で に 来 い」

「!!!!」

『邦さん、ひどっ!!ひろにぃ、一緒に行こ?』

「滸〜(泣)」




行きましょうか。
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