novel


キケンナアソビ。
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外は雨降りで。

せっかくのゴールデンウィークなのにろくにお出掛けも出来ず仕舞い。



それでも、今は格くんの部屋で二人きり。


なのに。

それぞれレポート作成…。


まあ、必要だからそれはそれでいいんだけど。


それだけじゃ、つまらない。



「…ねえ、格くん。……にらめっこしない?」






キケンナアソビ。






私の提案に格くんは手を止めて、いたずらっぽく微笑んだ。



「ああ…やってみようか?」




にらめっこだけど、これは。

いわゆる普通のにらめっことは、ちょっと違う。


お互いに変顔をするわけじゃなくて。


いわば、我慢比べ。




ただ、じぃっと。

格くんを真正面から見つめる。



きりりとした眉。


メガネの奥の、綺麗な瞳。


実は、睫毛長い…。


すっと、鼻筋が通っていて。


それから、形のいい、唇………。





じーっと、じーっと見つめてたら。


急激に恥ずかしさが沸いてきて。




…ざ。

雑念が。

雑念が…っ!!




沸騰した熱が一気に顔まで上ってきて。

耐え切れずに、きゅっと目を閉じた。



瞬間、唇に、柔らかい感触。



そぉっと、目を開けば。


すぐそばに格くんの顔。



やっぱり恥ずかしくなって、もう一度目を閉じたら。



「…僕の、勝ちだね?」



格くんの吐息が唇にあたって。

もう一度、キスされた。



「…やっぱりこれ、危険な遊びだね、格くん。」

「高校生男女がするには、刺激が強いかもしれない。けれど…。」



触れては、動く唇。



「僕にはもう…楽しい遊びだ。」



どこか余裕の漂う台詞が耳をかすめる。


それからぎゅっと、抱きしめられた。








私は格くんの腕の中で、宣言する。








「…これからは、にらめっこ禁止、ね。」


「言い出したのは君なのに?」


「…例外を除いて、禁止。」


「例外ってなんだい?」






にらめっこは、危険だから。


私がしたい時だけ、することとする。





→あとがき


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