No.6

□いつかこの意味、届くまで
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欲しい。貴方の全てが。

そして欲されたい、抱き締めたい、犯されたい。

あなたに、何ものにも染まってない白いあなたにこんなに求めるのはきっと私がきたないからね。



『沙布、どうしたの?』

「うぅん。このドーナツ美味しいなって。」

『そっか。』


このドーナツは甘い。でもそれ以上に甘いのは貴方のその微笑み。


「紫苑はさ…好きな子とかいるの?」

『好きな子?』


何聞いてんだろ、私。紫苑が困ってしまう。

だけど、聞きたい。

知らない子の名前なんて出てきたらどうするの?


ころす?…殺す。


私いつからこんなに…。

でも紫苑好みになれるならどんなに「堕ちて」も構わない。


『好きな人なら沢山いるけど、好きな子は…。』


そっか。いないんだ、安心。

でもどこか面白くないと思う自分がいる。複雑な気持ちは溜め息という見えないかたちで吐き出された。


『好きな子…。』

「紫苑、いないならいいの。ごめんね。突然変なこと…。」

『いる。うぅん、いた。こんな近くに!!』





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