No.6

□いつかこの意味、届くまで
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…え?

にっこり笑って、私の手にそっと彼の手が重なる。

嘘…。

私?私…なの??


「紫苑…。」


嘘と言って。いや、言わないで。お願い、早く訂正して!


『僕、沙布のこと好きだよ。だって親友だし。』


親友…。

悪意のない笑み。口の中の甘み。頭を石で殴られたような痛さ、胸を刺す「純粋」という名のナイフ。


「そう…だよね。」


やっぱりダメだ。どっちにしろ零れ落ちる運命だった雫たち。


『沙布、どうしたの?どこか痛い?』


痛い、痛いよ。本当のことって1番イタい。


「私も紫苑が大好き。本当なんだから…。」

『沙布。』


もうだめ。喋れない。あとは貴方のこの柔らかい胸で泣かせて?

きたない、腐ってるからって拒絶しないで。


今もこれからも…。


―紫苑、好きよ。愛してる。―


この意味が分かってもらえるまで私は私のために甘え、腐り、堕ちてゆく。




END
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