マジカル☆ラビリンス

□7th
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 かくして、渡羽、アスカ、美鳥の三人はデパートにやってきた。
 ここに来てようやくアスカも意味を理解し、俄然はしゃぎだした。
 水着売り場に着くと、美鳥は主導権を握って、渡羽に指示を出した。
「それじゃあ私はアスカちゃんの水着選んでくるから、飛鳥は自分のを選んできなさい。
 いいのが見つかったら持ってきて見せるのよ。自分だけで決めるのはなし。さあ、いざ戦いの場へ!」
「おーっ!」
 意気揚々と、女性の水着売り場へ突撃していく美鳥とアスカ。
 渡羽は小さくため息をついて、男性の水着売り場へと重い足を引きずって行った。


 さまざまな水着を見て、アスカは目を丸くした。水着というのは、水の中で着る服のことらしい。
 魔法界では、魔法で風の膜を張って水中に潜るため、わざわざ服を着替えたりしない。
 一口に水着と言っても様々な種類があるものだ。アスカが目移りしていると、美鳥がいくつか持ってきてくれた。
「これが一番オーソドックスなタイプね。スクール水着もこの形だし。あとは…これなんかどう?
 同じワンピースタイプなんだけど、下がスカートになってるのよ。でもアスカちゃん、いつもスカートばかりはいてるから、たまにはこういう…」
 美鳥は別の水着を見せて「ショートパンツタイプもいいかも」とアスカの体にあてる。
「わぁ、種類がいっぱいあるのね。…ん、なんか不思議な触り心地。すべすべしてるって言うか、妙な弾力がある」
「水中でも動きやすくできてるからよ。あー、あとね、タンキニタイプとか、ビキニなんて言うのもあるのよー」
 手にとってはアスカにあててみる美鳥。アスカも、渡羽と出かけられる、恋人らしいことができる、とあってとても楽しそうだ。
 二人を遠目に見ながら、渡羽はたらたらと水着を選んでいた。
 別にアスカと出かけるのが嫌なわけではないし、むしろうれしいのだが、気が乗らない。
 その理由は、行き先がプールだからだ。つい先日、恋人同士になったばかりで、いくら一つ屋根の下に住んでいるとはいえ、初デートがプールだなんて。
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