短編

□口が寂しいなら
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「“未成年の喫煙飲酒は法律で禁止されています”」
「ゴホッ!!ゴホ・・・・・」
「獄寺、大丈夫かぁ??」

屋上でお昼ご飯を食べ終わったあと、獄寺が一服してるときにツナは空を見上げながら独り言のように言った。
イキナリのツナの発言に驚き、獄寺はむせてしまう。
山本は一応獄寺を心配する素振りはするが、感情がこもってない。








【口が寂しいなら】







「じゅ、十代目ぇ?!」

「・・・・・なんで未成年はダメか知ってる?・・・・ガンになって死にやすいからだよっ??」

「今日授業でやってたのなー」


山本がかかさずツッコミを入れる。オレは図星をさされ、何も言えなくなってしまった。
あぁ、と獄寺くんが笑いを我慢しながら言った。


「そんな・・・・・授業に影響されすぎですよ、十代目・・・」


まだ、笑いを堪えられてない。
顔が思いっきり笑っている。



「ッ!!なんだよッ!!オレは心配していってんだよ?!(恋人として・・・)」

(・・・・・って何思ってんだよオレー?!?!/////)

確かに、オレはこの前獄寺くんに告白されて付き合っているので・・・・こ、恋人///・・・・なんだけど・・・////

(でもやっぱ恥ずかしいんだよー!!!///)

オレ、今絶対顔真っ赤だ・・・・
そんなオレの表情に気にせず、獄寺くんが話を進める。


「オレはガンなんかで死にません。・・・・死ぬなら十代目を守って死にたいです」
なんて、と俺にだけにしか見せない笑顔で笑う。


「なッ!!・・・に、いって、んの///」

こういうのずるいと思う。
そんな笑顔で、そんなこと言われたら、何も言えなくなっちゃうじゃないか・・・・・////


「ま、確かに獄寺1日に沢山のタバコ吸うよなー」

「へっ、お前には関係ねー」

「素直じゃないのなー」


獄寺くんの表情が一瞬にして変わる。
どこからだしたか知らないがダイナマイトを山本に投げようとしていたところでオレは気がついた。
ご、獄寺くん落ち着いてー!!
そして山本も煽ること言わないでー!!




キーンコーンカーンコーン・・・・・



「お、もう予鈴鳴ったのな。・・・・・・ま、取りあえず教室戻ろーぜ」

獄寺くんはまだ納得出来なかったみたいだけど、オレが引っ張って戻ろ?、と言ったらしぶしぶ教室に戻った。






********






放課後に獄寺くんの家に行った。
もちろん、獄寺くんと二人きりになりたくて。


何度も来てるし、慣れているハズなんだけど・・・・・なんだか落ち着かないなぁ・・・・


お菓子とジュースを用意して、獄寺くんがオレの隣に座る。
そして甘えた声で「じゅうだいめぇーvv」と言い手を繋ぎ、抱きつかれる。


(こうゆう獄寺くん、かわいいんだよな・・・////)



そう思いながらオレは獄寺くんの胸に顔を埋める。
オレはぎゅーっとされるのが好きだ。獄寺くんの体温やにおいがしてなんだか、安心する。そして獄寺くんに染み付いてるタバコのにおいも好きだったりする。

(Σハッ!!そうだ、タバコ!!)


忘れる所だった、
なんとしても獄寺くんにタバコ止めさせなきゃっ!!
でも・・・どうすれば・・・・??


「・・・・・・・十代目、何考えてるんですか?」


そこでオレはハッとした。
オレが真剣な顔で考えてたから疑問に思ったみたいだ。


「・・・・んー??いやぁ、獄寺くんのタバコ、どうしようかなーって」

「あぁ、またその話ですか・・・・」

オレは嘘をついてもしょうがないので正直に言った。
でも獄寺くんはちょっと呆れ気味だったけど。




「・・・・・・・・獄寺くんがタバコ吸うのは口が寂しいからだと思うんだよね。だからその代わりのような・・・・・・・・・・・・アメ舐めるとか??あっ、でも獄寺くん甘いもの嫌いだよねぇ?じゃあ・・・・・うーん・・・・・・」


俺が一人でう〜んう〜ん唸ってたら笑われた。



「十代目・・・そんな真剣に・・・っ!!可愛すぎますよ〜」

「はぁっ!?/////」



そう言った所で、唇を塞がれた。



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