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□2009年おっさん達のクリスマス
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「僕には魅力がないのか!」

そういうとダイゴは杯を机に叩き置いた

「そんなこといわれても…」




2009年おっさん達のクリスマス




ミクリは非常に困っていた。

ダイゴが朝からルネの家に押し掛けていたのだ

なんでもハルカにクリスマスを一緒に祝おうと言ったところ拒否されたらしい

そのことダイゴはずっと落ち込んでいた。

そして落ち込んだままでミクリの家に押し掛けてきた。

いつものようにミクリに愚痴を吐きに来たのだ。

だがいつもと違うのは、ミクリの家に着いたときにはもう酔っていた。


本当にどうしようこいつ

ミクリは頭を抱えていた。

「なあダイゴ、もう飲むのはやめないか」

「なんだよ、別にいいだろ!」

「よくない。君はいいかもしれないが私が困るんだ」

「君も女のこと過ごすのか?」

「いや、そうじゃなくて夜にTV番組の出演が…」

「あのおんあのこにかこまれてキャッキャウフフする番組か!畜生、どいつもこいつもクリスマス満喫しやがって!」

「いや、そうじゃないしあれサクラだし」

「もういいよ!ミクリも一人ぼっちの僕のことを笑っているんだろう、この僕を、御曹司でイケメンでチャンピオンな僕を!!」

「笑ってなんかないって」

「いいや、笑ったね!今確実に笑ったよほら、口元がほほ笑んえる」

「ダイゴ、呂律が回ってませんよ」

「うるさぁい! もういい、ミクリなんか嫌いだ、だいっきらいだ…」

そういうとダイゴは泣きだしてしまった。ミクリはため息をついてソファに座る彼の隣に座った

「ねえ、ダイゴ。君はそんなにあの子が好きなのかい」

「……ルビー君達とパーティーするんだって…呼ばれもしなかった…ああ…」

「それは君が変人だからだろう」

「なんかいった?」

「いや、なにも」

ミクリはダイゴの肩に手を置いた

「なあダイゴ、今まで君とずいぶん長い間友人をやってきたが、最近の君を見ているとね」

「ああ、いまごろはたのしくやってるのかなあ…」

「君を見ていると友人関係を保つのが難しくなってくるような気がするんだよ」

「くうう…」

ミクリはダイゴの頬に手をそえてこちらに向かせた

「泣いてるの?ダイゴ」

ダイゴはぼんやりとミクリの目を見て、そして突然目を見開いて叫んだ

「あああああ!!」

「な、なに!?」

「あいつだ!」

「あ、あいつって?」

「マツブサだ! きっとマツブサといっっしょにいるんだ!そうに違いない!」

「おい、ダイゴいまあの人の所にはいかないほうが――。」

「やっぱりそうだ! あいつめ、ぼくのハルカをよくも、まっとれ、今行くからな!」

そういうとダイゴはふらふらとした足取りでミクリの家の外に出た

「ちょっと、ダイゴ!」

「出てこい、エアームド!」

空を飛ぶ! そういうとダイゴは大空に飛び立った



「はあ…いってしまったか…」

ミクリはため息をついた。そして家に引っ込むと電話をかけた

「あ、もしもしマツブサさんのお宅ですか?」
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