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□目と目があった瞬間好きだとき(ry
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※棚にあげた小説です


刑務所を脱獄して二時間になる。
塀を乗り越えてからはまっすぐにあの悪魔の家へと向かっている。
きっと神も今宵は私の1X回目の復讐を支援してくれているのだろう。邪魔者はいな……
おお、なんだオオカミか、脅かすな。あれはなんだ?検問?まさか脱獄がばれたのかいやまさか
ああっ、誰だこんなところにゴキブリホ○ホ○を置いたのは!ああっ、橋が流されてる!
こら服を噛むな!ああ、粘着シートが髪についt

さて、そんなこんなでようやく、あのの家についた。
時刻は深夜二時。脱獄してから十四時間が経過している。
四時間前にコンビニに寄って、準備は万全だ。さて、覚悟はいいか、悪魔の子供よ……
ふふふ……ふははははhふぐうっ!ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ンn……

何故かこの悪魔一家の庭には熊手がそこらじゅうに置いてあった。
突破するのにさらに一時間半を要したが、まあそれはいい(いつものことだ)
私はかつて、正確な回数は忘れたが何度もあの子供の命を狙い、そのたびに失敗してきた

刑務所で私は考えた。何が原因だったのだろうと。血文字で手紙を書きながら図書室でさんざん考えた。
そしてやっと、分かったのだ。それは計画が原因だと…………。

この家への侵入は簡単だ。まずはあのツリーハウスに上る。そして部屋の窓を刑務所常連の泥棒から
血液五ccで買った(おかしな奴だった)進入技術で侵入する。窓からひらりと飛び移れば、そこには
すやすやと幸せそうに寝るあの悪魔、バートシンプソンがいるというわけだ……さて入るか。

入ると、相変わらず憎きクラスティーだらけの部屋の真ん中で、子供は寝ていた。
ああ、どこまでも私を苦しめる子供よ。私はそっとベッドの端に腰かけ、その白い二の腕をすっとなぞった。
子どもの柔肌が、早くナイフを突き立てろと急かしている。私は一気に小さな体に乗り上げ、そして
その首筋にナイフを押しあてた。引くだけでいい。シンプルイズベスト。無駄がない。
だが待て。私は考えた。その前に少しぐらい余興があってもいいだろう。フフフ、我ながらなんてあくどい計画だ。
私はバートの耳元に口を近づけ、そしてイマジネーションランドのカートマンよろしく囁いた。
「wake up bart」
バートシンプソンはゆっくりと目を開けた。ホーマーシンプソンも子どものころはさぞ美少年だっただろう。

その子供は今、私を見つけてやっと声を上げようとしていた
「あーサイドショーボb」
だが私の手が口をふさいだ。バートシンプソンは身動きもできずに私を見ている。ああ、その恐怖に満ちた目の美しいことよ。
「これはこれは、私の宿敵バートシンプソン。最後に何か言いたいことはあるか?」
バートは必死にうなずいた。手を話すとバートは少しせき込み、作り笑いをして言った
「大英」「それはだめだ」「……ケチ」
少年はむくれるといつもの調子に戻った。「で、何の用」
「お前を殺しに来たのだよ、バート」
「なんなのあんた、だいたいさあ、今何時かわかってる?」
「四時だろう、四時十一分だ」
「うちのじいちゃんが起きる時間だ。あんた腎臓と肝臓おかしくない?」
「失礼な、私は健康体だ。少し貧血気味だがな。さて――。」
『ホーマー、ホーマー、入れておくれ、昨日の夜薬を飲み忘れた、このままでは死んじまう』
「……さて、最後に何か言いたいことは、もういいな」
「まって、一つある」
彼の目はもうすっかり醒めたらしい。

バートはいつもの真っ直ぐな目で、あの私を四六時中殺人妄想から離さないその目で、
私の目をしっかりとみつめていた。私は自分のうちに、容易に冷めぬあの芳しい興奮が沸きあがってくるのを感じた。
そうだこの瞬間を私は求めていた。この絶頂にも等しい感覚。悪魔の喉を切り裂くこの最高の瞬間を私は求めていたのだ
「あんたゲイなんじゃないの」
その言葉を飲み込んだ時、どうしてすぐに喉を切り裂かなかったのか、いまでも疑問に思う。
「違う!」
「じゃあなんでチンコ立ってるんだよ!」

見ると、囚人服の下腹部のあたりが明らかに膨らんでいた。その瞬間、私の気分はまっさかさまに落ちた。それもショックだったが
勃起を見られたところで殺せばいいものを、何故かそれができなかったのだ。しかも、信じられないことに、むしろこの少年にもっと、もっと、
見せつけてやりたいと感じていた。


「くそっ、なんなんだ俺の人生!親父はOPで毎週被ばくするわ、妹は仏教徒だわ、凶悪殺人未遂犯だと思ってたやつはゲイだわ、もうやだ!」
「では死んでみるかバート?死んだらすっきりするかもしれんぞ……」
「いいから帰れってよ!立てながら言われたてなんの感情も湧かないんだよ!」
「その前に一つ」
「なに!」
「腹が減った。クッキーをくれ」
「……台所の二番目の棚の中」
「ありがとう。ミルクはあるか?」
「冷蔵庫の中!」

台所でクッキーをかじりながら、私は自分のしたことが信じられずにいた。
何故殺さなかったのだ。そして何故勃起したのだ。
確かにあの少年に性的興奮を感じたかもしれない。だが今まで自分はストレートだと思っていた。そう思って生きてきた。
しかし、私は男に興奮した。しかも少年にだ。私はペドフィリアだったのだ。小児愛者だったのだ。ああ、なんということだ。
狭い台所を歩き回って、太陽が完全に昇っても、私の悩みが消えることはなかった。私は隣の住人が牛乳瓶を家に入れるより前に
シンプソン家を出た。二階から降りてきた夫人に声をかけてから。

「おはようございますミセスマージー。相変わらずお料理がお上手で」
「ありがとうサイドショーボブ。……サイドショーボブ!?」

続く

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