SS

□目と目があった瞬間Z
1ページ/3ページ


ボブはバートの口内に指を入れた。バートはそれを嫌らしくなめた。ボブはいたずらに動くバートの舌を押さえて言った
「バート、私はビッチは嫌いなんだよわかるね」バートは指を吐き出して不敵な笑みを見せた。「これでも?」
「ああバート」ボブは声を漏らした


目と目があった瞬間Z


ボブは目を覚ました。ひどい夢だった。まだ夢の中にいるような気がしたが、でも隣にバートはいなかった。
彼は少し落ち込んで、また日課のある問題を考える作業に戻った。
先日バートの部屋に侵入してから、ボブは自分がどうしたいのかわからずにいた。
考えても答えらしきものが出たが、それはすぐに否定された。ボブは苦しんで苦しんで考え抜いたが
やがて一人で考えても答えが出ないと結論づけられた時、ボブの足は刑務所に向かっていた。

深夜の第三監獄の一室
「セシル。私だ」
「っわああnもがっ」
「いいかそのまま聞け。お前は私を見ていないし私もここにいなかった。私もお前を見ていないし
お前も私を見ない。私はここに存在しないしお前が観測しなかったことになっている以上私がここに存在しているのか
していないのかわからないということにもなるが、要するにお前は私を見なかったということだ」
「もが!?(なに!?)」
「まあそこで聞くがいい、私は……こらセシル暴れるな、セシル、こら」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!」
「わかったわかったから手を噛むな、こら」
「うわあ、この手すごくまずいよ」
セシルはぺっぺとしながら言った。そして兄を睨んだ
「失礼な。トイレから出た後は手を洗ったぞ」
「普通洗うんだよ!!」
「こら、落ち着けセシル。看守にばれるぞ」
「……この声、やっぱり兄さんか。」
セシルはボブを睨みながらベッドを降りた。そして髪の中からとがったヤスリを取り出して
構えた。しばらく考えてボブは、セシルが昔自分を殺そうとしたことを思い出した。
いやほとんど気づいていたのだが、バートのことですっかり忘れていた。
「あー……あの、まあ昔のことは水に流してだな」
「水に流す……?」
「ああ、あの、ダムじゃないぞ」
「兄さん 僕がアンタを殺す前に ここから出ていった方がいい」
「私もこんな場所にはいたくない」
「そこに僕を置いて行ったのは誰だ」
「だってお前が刑務所を気にいっていたようだからっ!…ンググググ…」
ボブは顔にくっついている熊手をどかした
「お前に罪を重ねてほしくなかったんだよ……この熊手置いたのお前か?」
「詭弁だね。兄さんは僕が嫌いだったんだ、僕が嫌いだから僕を置いて行ったんだ、僕を憎いから」
「まあ待てセシル」ボブはセシルの持っている危険なやすりをつかみ、下げさせた。
ボブは熊手に当たらないよう気をつけながら移動して(三個あった)誰もいない下のベッド、セシルの隣にに腰かけた。
「そんなにお前を傷つけていたとは気づかなかった……すまなかった」
「兄さんはいつもそうだ。いつもそうやって誤魔化すんだから」
セシルはボブの肩にもたれかかった。なんだこれ。と思いつつも彼はセシルの肩に手をまわした。
だがまったくそんな気にはなれなかった。むしろバートのことを思い出して罪悪感が沸いた。
「どうしたの兄さん」
セシルがボブの顔を覗き込んだ。ボブは肩にまわした腕を下ろしていた。
「バート・シンプソン」
ボブははっとしたように顔を上げた
「やっぱりあの子のことなんだね」
「私は……どうしたらいいのか」
「なにがあったの」
「お前は純粋だから、聞かないほうがいい」
「僕が純粋だって? いつまで僕のこと子供扱いするんだ!」
セシルはボブの胸倉をつかんだ。ボブは困惑した。セシルははいつか見せた、あの表情で言った
「ねえ兄さん、興奮したんでしょ」
「ど、どうしてそれを」
「バートを見て興奮したんでしょ、性的魅力を感じたんでしょ、それで困ってるんだ、兄さんは自分がおかしいって
やっと気づいたんだ。……遅すぎるよ」
「セシル」
「僕ずっと思ってたよ、兄さんが変態なんじゃないかって。執着も一種のオナニーなんだなって。でも兄さんは
そんなこと言われようものなら言ったものを殺しそうだからずっと黙ってた」
「お前は私をそんな風に見ていたのか」
「そんなこと言って、わかってるんでしょ。自分はキチガイだって」
「どういう意味だ」
「だからね、兄さんも素直に認めればいいんだよ。僕だって失敗したことをを認めたんだ。
兄さんだってバートを愛していることを認めれば、おのずと解決策が浮かぶよ」
「そういうものなのか?」
「そういうものなの。兄さんバートといちゃいちゃしたい?」
「う……」
「兄さんはバートとえっちしたい?」
「うん」
「なら答えは簡単だ。さあわかったらさっさと僕を寝かせてよ。疲れてるんだ。兄さんがいなくなってから
いろんな人にからかわれて、お前の兄さんの味は良かったよとかそういうこと言われて……あ、言わないほうがよかった
かな、言わないほうがよかったね……兄さんどこ行くの」
セシルからはボブの顔はよく見えなかったが包丁がギラリと光るのは見えていた。
「セシル、何も言わずにお前をからかった者の名前を教えなさい」
「やめてよ兄さん 僕が疑われる」
「なら手紙を残しておくとしよう」
ボブは懐中電灯の光で紙に文字を書き始めた。セシルはそれを見て盛大にため息をついた。
「だからどうして血で書くのさ……」
「なんだか目眩がしてきた」
「もういいよ、僕のボールペン使って」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ