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□一緒にお風呂☆
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バートはミルハウスと遊んで家に帰ろうとしていた。
もうすぐ夕方で、スプリングフィールドの街も買い物客でにぎわっている。
ミルハウスと別れて、バートはなんとなくショーウインドーを見ながら歩いていた。
すると突然、身体に衝撃を感じてバートは転んだ
「いったいなあ、なんだよ!」
「それはこっちのセリフだ、バートシンプソン!」
そこにはバートの宿敵、あのいじめっ子三人組がいた。
なんてこった。今日はついてない
「おい、どうしてくれんだよおまえのせいでオレのシャツが汚れたじゃねえか!」
「丁度いいぜ、こいつに試してみようぜ」
「なにを!」
ジンボが何かを取り出した。それは巨大な十のような、水鉄砲のようなもので
タンクがついていて謎の液体が入っていた
「や、やめろ!」
「くらえ!ベトベトガン!」


一緒にお風呂☆


バートはスケートボードを引きずって歩いていた。
道行く人の奇妙な視線を受けながら、必死に水場を探していた。
今やバートの身体は、白いべとべとでねばねばの液体まみれ。
三人組はこれを発射すると大笑いしながら走り去ってしまった。
シャワーでとれるだろうか。母親になんて言われるだろう。そう思うと憂鬱だった。
やがて公園に差し掛かったバートは、水場を見つけ駆け寄った。そして頭から水をかぶり
ベトベトを洗い流した。大方のものは取れたが、だがまだ髪はベトベトだ。
「ああもう最悪!なんでこういつもいつもついてないのかなあ、わけわかんないベトベトかけられたり
びしょぬれになったり、どこかにいいことないかなーーうわっ!」
前を見ずに歩いていたバートは、突然何かに躓いた。倒れる! そう思ったが、衝撃はなかった。
おそるおそる目を空けると、誰かに支えられていた。
「大丈夫かい?」
「ああ、ありがとう……って、その声はサイドショー・ボブ!?」
「バート・シンプソン!?」
バートは改めてボブを見た。顔は違えどその声はたしかにサイドショー・ボブだった。
数ヶ月前刑務所を脱走して以来、スプリングフィールドに潜伏していると言われていたが
どれだけ手を尽くしても見つからなかったのに。バートはマジマジとボブを見た
「アンタこないだオレに手紙送ってきて、それで」
「ああそうだ。君に会いたいと言ったが君はこなかった!」
「ごめん、また誰かのいたずらかと思ったんだ」バートはきまり悪そうに言った「こないだもジンボ達が
手紙入れてきて、それで見に行ったらぼこぼこにされたから……」
「……そいつらの家の住所を教えなさい、早く」
「ボブ‼ めっ!」
バートはボブをおなかを叩いた。ボブは犬のようにしょぼくれた目をしたが、すぐに元に戻った
「それで、どうしてここにいるの?」
「ああ、たまたま戻ってきたのだ。セシルに手紙をもらって、会いたいと言われたので、会いに言ったのだが……」
「会いにいって?」
「散々小言を言われて、さらに罵倒されて、まあそのくらいだ。アイツもそうとうキレてるな」
「ふーん……」
バートはそう言って、ボブの新しい顔を見つめた。
「その顔誰の顔?」
「これか? マスクだよ、私が作ったんだ。似ているだろう?」
「でもその顔あんまり似合ってないよ。声がいいからなおさら」
「そうか……」ボブは頬をかいた「それで、君はそんなびしょぬれになって何をしてるんだ」
「ああ、これね」バートは濡れた髪を引っ張った「さっきのやつらにぶっかけられて」
「なんだって!?」
ボブはナイフを取り出した。バートは走っていきそうなボブを抑えつけながらいった
「何誤解してるんだよ!変な水鉄砲なのでかけられただけだよ!」
「なんだ、早く言え」ボブは息を落ち着かせながら言った「びっくりしたぞ」

それからバートはボブに先ほどあったことを説明した。
ボブはかなり悔しそうだった。
「そういうわけで、水で流したんだけど取れなくってさあ」
「なるほど。いったい何でできていたのか。そうだ、私の家にに来たまえ。そいつを落としてやろう」
「いいの?」
「このまま帰して風邪をひかれても困るからな」
そうしてバートはボブに手をひかれ、町はずれのアパートまで歩いた。
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