SS

□ひとつ
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う……おも……!?」
サイドショーボブは寝苦しさで目を覚ました。そして目に飛び込んできたものに飛び上がった
「なにをしているんだ、バート!」
ボブは身体を起こそうとしたが、胸の上に乗っているバートの重みで起き上がれない。
どかそうと押してもびくともしない。しがみ付いて離れようとしない。焦って辺りを見回すと時計
が目に入った。午前三時半。なぜこうなった。ボブは急いでここ数日にあったことを思い出した。

二日前
「ねえ、オレのこと殺したい?」
「は?」
振り向くとバートはベッドに寝転がって雑誌を読んでいた。気のせいかと思いワインをグラスに注ぐと
「ねえ、オレのこと殺したい?」まただ。ボブは今度こそ振り返った
「藪から棒になんだ」
「殺したいんでしょ」
「ああ、そうだよ。だがこう言う関係になってしまった以上簡単に殺すわけにはいかないと昨日も――。」
「ああもういい、もういいよ!」アンタの話長すぎる!バートベッドの上に立ち上がった
「オレはそんなこと聞きた聞くないの」
そう言うとバートは雑誌を置いて、玄関から出ていった。ボブは後を追ったが、外にはすでにバートの姿は
なかった。

一日前
「ねえボブ、キスしてよ」
「いきなりなんだ」
「キスぐらいならいいだろ」
ボブは隣に寝ているバートを見た。バートはパジャマのボタンをはめているところだった。
それを見て一瞬卑猥なことを考えてしまったが、ボブは必死に振り払った。そういうのはよくない。
「ねえ、してくれるのしてくれないの」
「一回だけだぞ」
バートが目を閉じた。ボブはそっと優しいキスをその唇に落とした。目を空けたバートは不機嫌な顔をした、
だがすぐに身体を寄せてきた。腕にすがりつくように抱きつく。相手の足をまたで挟む。ボブは驚いて身体を引き剥がした
「なにを」
「……なんでもない」
バートはそういうと、寝返りを打ってこちらに背を向けた。丁寧にベッドの端によって。
そうして寝てしまった。ボブは静かにトイレに行った。
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