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□ダイゴさんの大誤算
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数時間後…
「いったい何着買ったんだ」
マツブサは両手にたくさんの荷物を抱えながら歩いていた。
「だってダイゴさんがもっと買えって言うから…」
「いいんだよ。僕はどうせ使わないから、使ってくれたほうが財布が喜ぶ」
「まあ、いいが…どうする、この荷物家に送ってもらうか」
「そうね、そうしましょう。」
一行はデパートのサービスセンターに向かった。
そして荷物を預け終わると、三人は屋上で一服しようとエレベーターに乗った。
「私ミックスオレがいいな」
ハルカはジュースを買いに行った。マツブサは煙草に火をつけた。
「今日は疲れたな…」
「マツブサさん、さっきから同じこと言ってますよ」
「ボキャブラリーがないんだ」
「そうなんですか?」
「そうだ。」
ダイゴはおかしそうに笑った。そしてサイコソーダを飲んだ。ハルカは掘り出し物市を見ている。
「あの、マツブサさん」
「なんだ」
「ハルカちゃんとは、どういう関係なんですか」
「はあ?」
マツブサがダイゴを見ると、その目は真剣だった。相手を射抜くような視線で見られて、マツブサは辟易する。
「どういうって、みたとおりだが」
「やっぱり…」
「やっぱり?」
「前からハルカちゃんがよく話してたんです。あなたのことを」
「へえ、どうんなふうに」
「ちょっと非常識でわけわかんないけど、ニヒルでミステリアスで、煙草吸う格好はアオちゃんの次にカッコイイっていってました」
「ああ、そう…」二番目かよ
「? 何か言いました?」
「いや、なにも」
「そうですか…」ダイゴは髪をかきあげた。
「あの、僕はっきりいってあなたとハルカちゃんの関係はよくないと思うんです」
「は?」
「あなたとハルカちゃんの関係です」
「これがどうした?」
「どうしたって…だって、これですよ?」
「何か問題でもあるのか」
「問題って…だって、おじさんと子供ですよ?僕ならともかく、年齢が離れすぎてると思いませんかっ」
「誰がおじさんだ、私はまだ2…」
「あなたより僕のほうがふさわしいと思うんです!」
マツブサは唖然とした。
「ちょ、ちょっまて何の話だ」
「僕は知ってるんです…あなたたちがどうやって知り合って、どうやってこうなってああなってこうなったか!」
「だから、何の話だ!」
「全部調べました。ズバリ、あなたにハルカちゃんはふさわしくありません。彼女は責任もって僕が引き受けます」
「はあ?」
「僕はハルカちゃんを愛してます」
マツブサは今度こそひっくり返りそうになった。