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□2009年おっさん達のクリスマス
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「は、は、ハルカちゃん!!?」

ダイゴが盛大に驚く。ハルカはコートにマフラーに手袋と言う姿だった
うしろに鳥ポケモンを連れている

「なんだハルカ、今日はパーティじゃなかったのか?」

アオギリが聞いた

「うん、そうだったけど、ケ―キを作ったから持ってきたの。おすそわけ」

そういうとハルカはケーキの箱を机の上に置いた

「それでなんでダイゴさんがいるの?」

「それは…」
「聞かないほうがいいな」
二人は顔を見合わせて言った

「は…は、ハルカちゃん!」

「なあに、ダイゴさん」

「あの…あの、今日はどうして…」

「そうそう、今日はごめんね。お父さんがダイゴさんのことあんまり好きじゃないらしくって」

「うん、それは知ってる…」

「だからせめてケーキだけでも届けようとしたんだけど、ダイゴさん家にいなかったから…」

「ああ、それは、ミクリの家にいたんだ!ミクリと酒飲んでた」

「本当?」ハルカは眉を寄せた「身体に悪いわよ」

「うん、僕らは大人だから大丈夫なのさ!」ダイゴはむねをはった

機嫌は直ったようだ。
アオギリはため息をついた。

「やれやれ、クリスマスだってのにとんだ邪魔ものだったぜ。お二人さん、もう家に帰るのかい?」

「うん、私はダイゴさんにも会えたから」

ハルカはダイゴにもケーキをわたした

「私はもう帰るね」

「もう帰っちゃうのかい?」

「うん、夕方にはみんながくるから」

「そうか…じゃあ僕は、ミクリのところにでもいこうかなあ…」

そういうとダイゴはきびすをかえした。だが足元がふらついていた

「あ、あれ? なんだか今頃…」

お酒が回ってきたかな?

そういうとダイゴはハルカにケーキを渡すような格好で倒れてしまった

「きゃあ、ダイゴさん!?」

「おいおい、こんなところで寝るなよ!」

アオギリが近寄って揺らしたが、起きる気配がない。

「仕方ないな…今夜は泊らせてやるか」

「マツブサ!?」
アオギリが悲痛な声を出した

「仕方ないだろう、このまま放り出すわけにもいかないし…」

「あの、マツブサさん」ハルカが遠慮がちに声を出した「うちであずかりましょうか? うち、その…空き部屋あるし」

「いいんだ、ハルカ」マツブサが珍しく笑って、ハルカの頭をなでた

「私たちのことは気にしなくていいから、楽しんできなさい。ケーキありがとう」

そう言われるとハルカはほほえんで、そして鳥ポケモンにのって帰って行った。



あとにはアオギリとマツブサと酔い潰れたダイゴとケーキが残った

「さて、今夜は長いぞ」

「ああ、こいつのおかげでな」

二人はダイゴをソファに寝かせた。ダイゴはぐっすり寝ている。アオギリがつぶやいた

「なあマツブサ、おれは別に嫌なわけじゃないんだ。ただお前の反応に驚いただけさ」

マツブサはいつもの顔に出さない笑いをした
「まあ、聖夜なんだ。人助けぐらいしないとバチがあたりそうだろ?」

「まあそうだけどさ」

「さてと、まずはケーキを片づけないとな…」


そうして、ダイゴがぐーすか寝ている中、聖夜の夜はふけていくのであった







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このサイトでのダイゴの不憫率は異常

02/15
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