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□目と目があった瞬間Z
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一方その日の昼のシンプソン家では
「ディーフェンス!ディーフェンス!」
「やめてよお兄ちゃん!最近そればっかり」
リサは兄の攻撃をかいくぐって手紙の束を持ち出した。請求書、請求書、ホーマーの下着、請求書……
「あれ?お兄ちゃんあての手紙だ。めずらしい」
「俺に手紙?こないだ注文した人類抹殺機能付きパチンコのことかな」
その手紙には差出人の名前が書かれていなかった。バートは中身を読んだ
「誰から?……お兄ちゃん?」
彼女が振り向くと、そこにもう兄はいなかった。その夜ホーマーがワインがなくなったと
騒いでいるのを聞いてリサは嫌な予感がした。

深夜。バートは足音に気付き、閉じていた目を空けた
「ハローバート。」
「ハローって時間じゃないよ。あんたやっぱり爺ちゃんに似てる」
「君のお爺さんは私が家まで送っておいた。感謝したまえ」
『ホーマー、ホーマー、死神が追ってくる 助けておくれ』
「「……」」
月光の差し込む部屋、ボブは静かに侵入した。バートは机の椅子に座っていた。
前回とは違い机の上は片付けられていた。綺麗になったその上には、途中まで血文字の手紙が一通置いてあった。
「私の手紙を読んでくれたのか」
「アンタいい加減倒れるよ」
「実を言うとこないだ輸血をされた」
「ばっかじゃないの」
バートは腕を頭の後ろに回して、挑発的な、しかしどこか警戒的な目でボブを見た。
ボブはその視線を大人の余裕で受けながら、少年に近づいた。
「さて、こないだの続きを始めようか」
「続きも何も何かしてたっけ?」
「さて、どうだったかな。私が君に愛の告白をしたんじゃなかったか?」
「違うよ。アンタが一人で興奮しておれが追い出したんだ。ついでにアンタはクッキーを全部食べて
おれがママにこっぴどく叱られて結局問い詰められてアンタのことばれていろいろ話したよ」
「ふむそれは、なんだと!?」
バートは疲れたようにお手上げのポーズをした。
「みんな全部知ってるよ。アンタが変態だってこと以外はね。だって言ったらあまりにもかわいそうだもん。
まあそれはいいけど、それよりこの部屋に防犯カメラがついたこと知ってた?」
「それはいつ?そしてどこに」
「アンタが刑務所に行ってたときにね。カメラは隠しカメラだけどおれが壊しといたから大丈夫」

一方監視会社では夜勤担当の男が電話をかけていた
「ねえ、一個映ってないモニタがあるけどなんなの?
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