SS

□シンドローム
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そう言うとスネークはビールを取り上げてサイドボードに置いた、そしてボブのガウンからのぞく胸に
手を這わせた。入墨があらわになる「DIE BART DIE」。
「なあ、この入墨消せよ」スネークはボブの耳元で囁いた「それで全部忘れちまえ、あのガキのことも、弟のことも。それでオレのものになれ。かわいがってやるぜ?」
「いやだ」ボブははっきりと言った「それでは私の人生の意味がなくなる」
「復讐が人生か、笑わせるぜ」笑って耳たぶを噛む。ボブが小さく声を漏らした。そのまま胸をまさぐりつつ耳をなぶる。顔を赤くして震える。スネークはほくそ笑んだ。

「おい起きろ、出るのが遅くなるぞ」
その言葉にボブは目を空けた。そしてだるそうに起き上がると、ガウンも着ずにシャワーを浴びに向かった。
やがて出てきたが髪も身体も生乾きだった。相当疲れたらしい。やりすぎたかと苦笑しつつスネークはタオルを投げ渡す。

三十分ほどしてボブの支度ができた。スネークも自分たちがいた痕跡を全て消し終わった。
窓から慎重に外を見て警察がいないかどうか確認する。誰もいないのを確認してモーテルを出る。車に乗って朝日が出てきた静かな道を走った。しばらくつけられているのを警戒する。だが道には車一台いない。
「誰もいないな」ボブが林檎をかじりながら言った「うまく出られた」
スネークは横目でボブを見て言った「おい」
「なんだ」
「夜に言ったこと考えておけよ」
「は……まだ覚えてたのか」ボブはあきれ顔で息を吐き出した
スネークは笑った

end
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