☆オタカラSTORY☆

□As planned.
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ねぇ、


竜崎は気付いているの?






私が毎日どれだけこの時に
胸を高鳴らせているか







芳ばしい香りを漂わせる

琥珀色の甘い甘い珈琲に



私の恋心まで溶かして




出来るかぎりゆっくりと

貴男の前に届けるとき






本当は震えそうなの



「どうぞ」



の、


私のいちばんの声が、

カップを支えている手が、




貴男に気付いてもらいたくて
毎日色を替える、


短い爪の先までもが―









世界の切り札なんて称された


竜崎が
Lが




本当はこんな甘党で

よれたシャツを着て

背中を丸くしているなんて




この部屋にいる私たち以外

誰も知らない、

ワタリを除いては。










だけど今



「ありがとうございます」



と、

いつもと同じ音程で話す、

竜崎の漆黒の丸い瞳が、




その奥に企みの光を湛えて

私を見透かしていることは



私だけしか知らない、


そう、ワタリでさえ。








私、もう

嘘がつけそうにない



熱い頬が
色を染めてしまったのが

自分でも分かるわ






貴男の企みに


簡単に堕ちてしまった






高鳴る胸から


つまりそうな喉を抜けて



抑えきれない感情が



もう零れてしまう







この言葉を


竜崎はどう受け止めるの?




  『竜崎が好き』

   ―as planned.
   (計画どおり)











『L is 〜』シリーズ、拍手夢第二弾でした

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