気を失っている少女。
髪はプラチナ、瞳は閉じているためわからない。
木々が立ち並び、うっそうと茂る森の中。
重苦しい雰囲気と、濃い緑が支配する世界。
その中に横たわるのが彼女だ。
安らかな表情とともに規則正しく、呼吸の音や鼓動が薄く聞こえる。
なぜこんな場所にという疑問は持つが、その表情を見ればそんなことはやがてどうでもよくなる。
無は広がるためにある。
光は侵されるがまま。
すべてはその理のもとできているのだ。
それがすべての「理由」なのだから。
だれに決められたわけでもない。
最初からそうだった。
いまさら、思い返すことでもない。
この世界に生きる私たちはそれに従うだけ。
でも一筋の光の下、「隣」へ行けたらどうだろう。
それもまた、存在する「理由」に従うだけ。
それが私たちの役目なのだから。
時として、逆さになることはあったとしても。
崩れることは決してないのだから。