MiseeS

□雫
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 気を失っている少女。
 髪はプラチナ、瞳は閉じているためわからない。
 木々が立ち並び、うっそうと茂る森の中。
 重苦しい雰囲気と、濃い緑が支配する世界。
 その中に横たわるのが彼女だ。
 安らかな表情とともに規則正しく、呼吸の音や鼓動が薄く聞こえる。

 なぜこんな場所にという疑問は持つが、その表情を見ればそんなことはやがてどうでもよくなる。

 無は広がるためにある。
 光は侵されるがまま。

 すべてはその理のもとできているのだ。
 それがすべての「理由」なのだから。
 だれに決められたわけでもない。
 最初からそうだった。
 いまさら、思い返すことでもない。


 この世界に生きる私たちはそれに従うだけ。
 でも一筋の光の下、「隣」へ行けたらどうだろう。
 それもまた、存在する「理由」に従うだけ。
 それが私たちの役目なのだから。

 時として、逆さになることはあったとしても。
 崩れることは決してないのだから。
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