Theater of the end

□+予兆+
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十年前、ある町に劇場があった。その劇場はある劇団のものだった。
彼らの舞台はあちこちの子供を呼び寄せ、喜ばせた。
そうして劇団は去っていった。劇場を残して…


彼らの舞台は世界中の子供達に贈られ続けた。それも子供達だけに。
大人たちは知らなかった。
子供達がどんどん染まっていくことを。彼ら、いや彼の色に色濃く染まっていくことを…


彼の舞台は子供を喜ばせている。今でもずぅっと。
彼は今もまだ演じ続けている。染め続けている。
彼の姿は十年たった今も変わらず何一つ違ったものがない。
そうして彼は帰ってきた。あの劇場へ。
劇場は不気味な程綺麗だった。彼の様に、十年前と同じで。
町の人々は彼がここを去ったことを誰も知らなかった。
無人の劇場では、今だ舞台が行われていたから。
その舞台は…人の獣の植物のそして世界の………
……………………終焉劇
彼は声もなく笑っていた。
子供達の魂が作った、最高ノ舞台ノ中デ…。
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