Theater of the end

□+理由+
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「グシャァァァァ!」
獣が女性に襲いかかった。
「危ない!」
キャロは夢中で叫んだ。
キィィィィィン
その時、剣の澄んだ音が響いた。いつの間にか、イザクは剣で獣の牙を止めていた。
女性はあっ気に取られている。
「レディには俺がいる限り指一本触れさせないゼ♪」
カーンはマジック・ガンをかまえ、獣を睨みつけていた。
「ウォーター・フォース。」
キャロは慌てて女性の保護にまわった。彼女は震えていた。
「…大丈夫です。」
キャロはにこりと笑って女性を安心させた。
「フレイム・ブリッド!」
カーンの持つ銃から炎の弾丸が飛び出し、獣達を焼き払った。
「ヘッ!ざまあみさらせ♪」
そして女性とキャロのいる方へ来て、
「大丈夫ですか?綺麗なお嬢さん。女性が夜、森を一人歩きなんて危険です。良かったらこの俺がお送りしましょうか?」
といやに丁寧に言った。女性は少し落ち着いて、
「危ないところを助けていただき、ありがとうございました。えっと、私はフロワ、フロワ・ペールと申します。
この先のお店に買い物があったもので、御迷惑をおかけしました。それでは失礼します。」
と、去っていった。
「あぁ〜そんなぁ。どこに住んでいるかぐらい教えてくれても…。」
カーンは情けない声を出した。イザクはクスッと笑って、
「あの子、お前が怖かったんじゃないか?」
「エエッ(ガクッ)」
カーンは沈みきった。
「あの人なら昼間見ましたよ。確か教会にいました。でも、そこの神父さんに聞いたら彼女はシスターじゃないんだそうです。」
「マジッ!?じゃ、明日会いに行っこお〜と♪」
カーンは笑顔で言った。
((何しに行く気だ!))
キャロとイザクは同時に思った。
翌日、三人、と言うよりカーンは教会に向かった。
カーン以外の二人は呆れながらも聞き込み及び監視としてついていった。
「フ、ロ、ワ、ちゃ〜ん♪」
「あ、昨日は本当にありがとうございました。えっと、あっヤダ!」
フロワは恥ずかしそうに、
「皆さんのお名前聞き忘れてました。すみません。」
「ああ、そっか。俺はカーン♪」
「僕はキャロ。」
「イザクだ。」
「カーンさんイザクさんキャロ君、ありがとうございました。」
フロワはやさしく笑った。
「おい、お前十年前、魂を奪う劇場を見なかったか?」
突然イザクが切り出した。
「知っていたら教えてください。そして、考えてください。
突然で困ると思いますが、僕達とともに劇場を壊すことを。」
「…知っているわ。」
フロワはゆっくりと言った。そして
「でも、私は行けないのよ」
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