Theater of the end

□+独り+
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「…以上が、俺の知ってる全てのことです。」
ふうっと一息ついてコウランは言った。
「ありがとう。どうやらだいぶ近づいていると見て間違いなさそうだね。」
「ああ、話によればそう遠くないとこから来たという。ほぼ、核心に来ているだろう。」
イザクとキャロは言った。
「じゃ、がんばってヤツをブっ倒そーゼ!」
「ですよねぇv頑張りましょぉVv」
「ええ、頑張らなくちゃ♪」
三人は気合を入れていった。
「それじゃあココを出るぞ。少しでも早くあそこを壊さねばなるまい。」
「おっけ♪じゃ、行こーゼ♪」
皆は簡単に答えた。
数日後。
ようやく新しい町に着いた。キャロもすっかりヘトヘトだ。イザクは先頭を歩いている。
(やっぱすごいよなー、イザクさん。あれだけ戦闘してたのに、まだ元気だ。)
キャロはつい感心してしまった。
「お、お嬢様…。」
どこかで聞き慣れない言葉が聞こえた。
「…じい。何のようだ。」
突然イザクがやはり意味のわからない言葉を話した。
「え、イッイザクさん?何語話してるんです?」
「…日本語。」
イザクはつまらなそうに答えた。
「イザクお嬢様。やっと見つけた。さあ、日本へお戻り下さい。」
「断る。」
イザクはきっぱりと言った。だが、キャロたちにはまったくわからなかった。
「何故ですか!?貴女は我が東稜家の跡取り。ならばきちんと帰ってきて下さらねば…。」
「今はダメだ。」
イザクは老人を睨みつけた。
「ですが…!」
「ダメだと言っているだろう!早く下がれ!気分が悪くなる!」
そう吐き捨てると、イザクはその場に沈み込んでしまった。
「…そうですか、では失礼いたします。ですが私は何度でもあなた様の前に現れることでしょう。」
「五月蝿い…!五月蝿い五月蝿い!」
イザクが叫ぶと、老人は去っていった。
「…イザクさん。」
キャロは、そっとそばに座った。
「すまない…。取り乱してしまった。
…今日は一人で部屋にいさせてもらえるか…?落ち着いたら、何があったか教えるから…。」
イザクは言った。その背中は今まで見てきたものとは違い、小さく、弱弱しいものだった。
「…はい。わかりました。貴女は先に休んでいてください。僕達で他のことは何とかしときますから。」
「…ありがとう。」
イザクは小さくお礼を言った
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