Theater of the end

□+異常+
1ページ/5ページ

「クク…アハハハハ…楽しいヨ。」
真っ黒なタキシードに身を包み、
「ホント面白いコたちダナァ。」
黒のシルクハットを被る。
「此処まで来るとは思ってなかった…。」
それから流れる綺麗な金髪。
「あのコもちゃあんと動いてくれたシナ。」
それをきちんと三つ編みにして彼は言った。

「さぁてと、また染めてくるかナ…。」


「…あれ?」
キャロはふと声を上げた。
今彼らは記憶を頼りにイタリアのヴィンスを歩いていた。
「どうした?キャロ。」
イザクが声をかけた。
「いえ、なんでもないです…。」
キャロは笑って答えた。
(きっと…気のせいだよな…。)
「…なんだ?」
「へ!?」
「隠してることぐらいお見通しだぞキャロ。すぐバレる嘘をつくんじゃない。」
心配かけないようにと一生懸命"普通"に徹したがイザクは騙されなかった。
「気のせいだと思うんでいいですよ…。」
「まぁそう言うな。言ってたろう?私達は仲間なんだぞ。」
「へへ…、そうですね。」
キャロはちょっと照れ笑いをして言った。
「それで、どうかしたのか?」
「それが、本当に何となくですけど…動いたような気配がしたんです…。」
キャロがそういうとイザクはサッと真剣な表情になった。
「それって、まさか…。」
「ええ。」
キャロはスゥっと深呼吸した。
「"終焉の劇場"そのものです。」
「「本当か!?」」
・・・・・・・・・・?
「「ウワァァァ!!!!」」
イザクとキャロは思わず声を上げた。
「えー、それってちょっとヒドくねぇか…?」
カーンが頭をポリポリ掻きながら言った。
「突然出てきて何言ってんですか!?」
「ってお前は先頭歩いてたはずだろうが!」
「二人で責めなくたっていいじゃんかよー。」
「…わかりましたよ、まったく。」
キャロはハァッと一息ついた。
「それじゃ、皆さんにちゃんと説明しますよ。」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ