永遠のウィンディア

□†幻聴†
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ウィンディア王国のお城。
そこには重い病となった国王夫妻と、もうすぐ十六歳となる第二王女、セーラがいた。
セーラは唯一白い翼を持って生まれた国王の娘。
そしてこの国の時期女王となる少女。
彼女は屋根の上にのっていた。
「はぁ、疲れた。皆私を見てくれない。私の本当の姿を見ようとしてくれない…。」
セーラは、遠くを見つめて言った。
「…空はこんなに綺麗だわ。そして遠くまでつながっている。新しい世界が見てみたい…。」
そして、じっと翼を見てつぶやいた。
「こんなに弱い翼じゃなかったらとっくに逃げ出してるのにな。」
再び空を見ながら、
「…つまらない…。」
そんな言葉を口に出していた。

遠く離れた、夜の国。
そこには追放された第一王女、セーラの双子の姉ライラが暮らしていた。
ライラは真っ黒い翼を持って生まれた少女。そこで彼女は強く生きていた。今日は塔のてっぺんに立って夜空を眺めてた。
「あぁ、まったく嫌になる。」
一番遠い星を睨んで言った。
「ここは暗いわ。そして冷たいところ。星明りがなければ何も見えないんだから。」
そして翼を睨み、
「この忌々しい翼がなければ。私は本当はウィンディア王国の第一王女なのに・・・。」
最後に目を閉じて言った。
「…つまらない…。」
気がついたらそう、呟いていた。

どこか遠い、暗い世界。
そこには第三王女ミィナと、二つの影があった。
「お姉ちゃん…お姉ちゃん…!」
ミィナの、二人を呼ぶかすかな声。
「・・タ・・ス・ケテ・・。・・・助ケテ・・お・・姉・・ちゃん・・。」
どこかでそんな声が、風にさらわれていった。
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