永遠のウィンディア

□†青空と夜空†
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その時の空はくもりで、今にも雨が降りそうだった。
「お姉ちゃん、天気…。」
「そうね。そろそろ怪しくなってきたわ…。休んでいきましょうか。」
ライラはそう言って降下し、そばにあった洞窟に入った。

パチ…パチパチン…

セーラは黙って焚き火の炎を見つめていた。
ライラは背中に背負った大きな翼の手入れをしていた。
「…ねぇ、お姉ちゃん?」
「ん、なあにセーラ?」
セーラは小さく呟いた。
「私って…足手まといかな?」
それを聞くと、ライラはやわらかく笑った。
「そうねぇ、足手まといかもね。」
その言葉に、セーラはどきんと胸を打たれた。ライラは続けた。
「でもねセーラ。貴女はミィナを助けたいんでしょう?」
「うん…。」
セーラはうなづいた。
「私もよ。ミィナに何が起きているのか知りたいの。だけどね、本当は私も怖いモノの方が多いのよ。」
ライラは照れくさそうに笑った。
「え、お姉ちゃんが?」
セーラは驚いた。
「そうよ。貴女は力を出すのを惜しんでるけど本当は物凄い魔力があるの。長い間夜の国にいた私にはわかるわ。」
ライラはじっとセーラの顔を見つめた。
「そんな、まさか。それはお姉ちゃんじゃないの?」
「私ではなくあなたよセーラ。」
きちっとした目でセーラを見たライラには、ちょっとだけ強いものを感じた。
「残念だけど、私はあなたほどの魔力はないの。どうやら私には武術のほうが性にあってるみたいだわ。」
ライラがすっと取り出した剣は、鮮黒の刃だった。
「キレイ…。」
セーラは思わず口に出した。
「ね。私はコレを使ってミィナのところまでたどり着いて見せるの。だから貴女、セーラは…。」
ふっと外を見上げてライラは言った。
「早くヒューリの聖地に行かなきゃね。」
 

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