Theater of the end

□+予兆+
2ページ/2ページ

十年前、彼の舞台を見た人々は誰も帰って来なかった。
皆心配し、探し回ったが見つからず、いつの間にか元にもどっていた。
いつもと変わらず平穏に…子供を除いては

だから見る見るうちに子供達は消えていった。そして忘れ去られていった。
しかし、とある六人の子供達は劇場から帰ってきた。親の元へは帰られずとも。
だが、その六人の名で舞台のことを覚えている者は誰ひとりとしていなかった。


十年経ったこの世界で、六人は成長していた。彼らは全員違ったときに舞台を見て、違ったところへ帰り、違うところで育った。
そしてそれぞれ静かに暮らしていた。
ホンの一週間前、彼が帰って来るまでは…
彼が劇場に帰ったとたん、6人全員が舞台のことを鮮明に思い出した。あの時の舞台、彼が子供達から魂を取ってゆく舞台を。
そして六人は劇場を目指した。今では異次元と化した、


“終焉の劇場”を
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ