*LONG STORY 2*

□2.それが恋には付き物で
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こうなったきっかけは
一人の男性が、
もちろん恋人以外の男性が
気まぐれから施した
一つの厚意が原因だった。
その厚意というのは
私にとっては有り難くて
優しい人だなぁ、くらいの
ものであったけど
同じく男性である恋人に
とっては不愉快で
それをあっさり有り難がる私はもっと不愉快だと
いうことらしい。



私がレイブンクローの
寮の前に駆け込んで行くと
気を利かせてくれた
レイブンクローの友達が
彼を呼んでくれた。
そして、その時私は
言ったんだ。



「会いたくなって
走って来ちゃった。」



無意識でごく普通の
その発言は彼の何かを
刺激したみたいで
普段なら絶対にしない筈の
大胆な行為すらも
引き起こした。
彼は寮の入口の前にも
関わらず私を思い切り
抱きしめたのだ。



人通りの多い場所、
しかも同寮の生徒は
ほとんどが彼と顔なじみで
何人かは私とも
話したことがあるわけで
面白がって口笛を
ピーピー鳴らして
はやし立てられるのが
この上なく恥ずかしい。



だけど、彼の方は
それより胸の辺りに
感じた違和感の方が
気になったらしく
そこに目を向けると
あったのは見たこともないネックレスだった。
そう、これが元凶。




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